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2016年6月14日(火)

シリーズ 共産党の改革提案 チェンジ!安倍政治

9条にたった平和外交戦略

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 安倍内閣は、北朝鮮によるミサイル発射実験や中国による南シナ海で軍事利用できる施設建設などを理由に戦争法を合理化しています。北朝鮮の軍事挑発に対してパトリオット・ミサイル(PAC3)を経路外の首都圏にまで配備したり、南シナ海で海上自衛隊の護衛艦が米空母と共同訓練を実施したり、地ならしに必死です。軍事挑発に対して、日本が安保法制=戦争法という軍事的対応に出たら、軍事対軍事の悪循環となり、新たな緊張を生むことになりかねません。日本共産党は、日本政府に対し、どんな問題も外交的解決に徹する、そのために憲法9条の精神に立った平和の外交戦略に転換するよう訴えています。


対話による解決へ、国際社会の一致結束した外交努力を

北朝鮮問題

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(写真)3月2日、北朝鮮による4度目の核実験に対して制裁決議を採択する国連安全保障理事会(国連提供)

 北朝鮮は今年初め、核実験とミサイル発射を立て続けに行いました。同国は、1999年の米朝協議や2002年の日朝会談、05年の「6カ国協議」(北朝鮮、韓国、中国、日本、米国、ロシア)の場で、核開発やミサイル発射の放棄を約束しています。今回の行動は、自らが国際社会におこなってきた約束を破るものです。

 6カ国協議は、多国間で北朝鮮の核問題での外交的解決を目指す初めての枠組みでしたが、08年を最後に開催されていません。北朝鮮を話し合いのテーブルに戻し、核・ミサイル開発を放棄させるために何が必要か―。それは国際社会の一致結束した外交努力です。

 国連安保理は3月、同国を出入りするすべての貨物検査などを盛り込んだ制裁決議を採択しました。決議は6カ国協議の再開についても強く要請。「平和的、外交的かつ政治的解決」や「対話を通じた平和的かつ包括的解決」を強調し、各国に「緊張を悪化させるおそれのあるいかなる行動も差し控える」よう呼び掛けています。

 北朝鮮問題を利用して、安保法制=戦争法を合理化することはできません。

6カ国協議の共同声明

 (1)協議の目標は平和的方法による朝鮮半島の検証可能な非核化

 (2)北朝鮮はすべての核兵器と核計画の放棄、核不拡散条約、国際原子力機関の保障措置への早期復帰を約束

 (3)米国は北朝鮮を攻撃または侵略する意図がないことを確認

 (4)米国、日本は、北朝鮮と国交を正常化するための措置を取る

 (5)6カ国は、朝鮮半島の恒久的な平和体制について協議し、北東アジアの安全保障面の協力促進を探究することに合意

一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動の中止を求めます

南シナ海問題

 南シナ海では、中国が南沙(英語名スプラトリー)諸島に人工島造成やレーダーの設置、西沙(同パラセル)諸島でミサイルや戦闘機の配備を行い、同海域の領有権を主張する周辺諸国との間で緊張が高まっています。

 中国とASEAN諸国が結んだ「南シナ海行動宣言」(DOC)は「現在無人の島嶼(とうしょ)、岩礁、浅瀬、洲その他のものへの居住を慎む」「紛争を複雑化あるいは激化させ、また平和と安定に影響を与えるような行動を自制する」と規定しています。中国の行動は明らかにこの約束に反します。

 日本共産党は、南シナ海での一方的な現状変更と軍事的緊張を高める行動を中止し、外交交渉による平和的解決に徹することを求めています。

 ASEAN諸国はDOC順守とともに法的拘束力のある「南シナ海行動規範」(COC)への発展を粘り強く追求しています。日本政府は、このような対話による解決を促すための外交努力を行うべきです。

尖閣問題

 尖閣諸島が日本の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかです。

 日本共産党は問題解決のため、日中双方が、(1)領土に関わる紛争問題の存在を認め、冷静な外交交渉による解決をはかる(2)現状を変更する物理的対応、軍事的対応をきびしく自制する(3)この問題を両国の経済関係、人的・文化的交流に影響をあたえないよう努力をはかる―の三つの原則を提起しています。

 尖閣諸島の接続水域に最近、中国軍の艦船が初めて入ったことはきわめて重大です。領土をめぐる紛争問題が存在しているこの海域への軍艦の侵入は、軍事的緊張を高め、事態の平和的解決に逆行します。日本共産党は、中国の今回の行為に厳重に抗議し、繰り返さないことを求めました。

「北東アジア平和協力構想」を提唱

戦争法への「平和的対案」

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(写真)「アジアの平和協力、核兵器のない世界をめざして」と題し、アジア政党国際会議第8回総会で発言する志位委員長=2014年9月19日、コロンボ

 「もめごとは話し合いで解決。絶対に戦争にしない」―この外交力の発揮こそ、いま必要です。日本共産党は四つの目標と原則からなる「北東アジア平和協力構想」を提唱しています。

 この地域に存在する紛争と緊張を平和的・外交的手段によって解決する抜本的対案です。この地域に、日米、米韓の軍事同盟が存在する下で、軍事同盟に対する立場の違いはあったとしても、一致して追求しうる緊急の提案として示したものです。

 これは、決して理想論ではありません。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国が東南アジアですでに実践している、東南アジア友好協力条約(TAC)のような、あらゆる問題を平和的な話し合いで解決する地域の平和協力の枠組みを北東アジアにも構築しようというものです。

 日本共産党はアジア政党国際会議総会などで「構想」を紹介し、賛同を広げてきました。安保法制=戦争法が施行されたもとで、戦争法への「平和的対案」として重要です。

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 東南アジア友好協力条約(TAC) 東南アジア諸国連合(ASEAN)の安全保障構想の土台となっている条約。1976年に調印。締約国は東南アジア域外にも広がり、日本、アメリカ、欧州連合、中国、北朝鮮が加盟するなど57カ国、世界人口の72%が参加する条約となっています。締約国相互の関係について、主権尊重、紛争の平和解決、武力行使の放棄を明記しています。

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東南アジア中心に広がる平和共同体

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