2016年6月14日(火)
戦争法廃止 立憲主義回復
最大争点から逃げる首相
1人区中心に遊説 野党攻撃
「自公と補完勢力」対「4野党プラス市民」という参院選(22日公示、7月10日投票)の対決構図が鮮明になるなか、1人区を中心に遊説している安倍晋三首相が野党共闘への攻撃を強めています。
安倍首相は、市民と野党の共同で実現した野党統一候補について「野党候補というより、共産党と民進党の統一候補だ。民進党にはもれなく共産党がついてくる」(11日、松山市内)と演説しました。「共産党は、日米同盟廃棄と綱領に書いてある。自衛隊解散と言っている。(野党)候補に一票を入れることは、その考え、その人たちに力を与えることになる」(13日大分、12日長野など)と、各地で繰り返しています。
こうした野党攻撃に照準をあてた首相の演説は、今度の選挙の土俵とも言うべき安保法制=戦争法の廃止、立憲主義回復という最大争点から逃げようとする、見え透いたごまかしです。
日本共産党と民進党、社民党、生活の党の野党4党は、広範な市民の強い後押しを受け、「政策の違い」を横に置いて、戦争法廃止・立憲主義回復という、個別政策以前の大問題で結束しました。安倍自公政権による立憲主義破壊の暴走ストップが、共同の最大の一致点です。野党候補への一票が“安保廃棄・自衛隊解散への一票だ”などというのは、事実をねじ曲げて、自らの憲法破壊の罪悪をごまかす争点そらしです。
日本共産党と民進党との間には、日米安保体制に対する態度で違いがあります。しかし憲法9条を踏みにじり、海外で戦争する体制をつくることは許せないという前向きの一致点ができたのです。安倍首相は「気をつけよう甘い言葉と民進党」(13日、大分)などと幼稚な共闘攻撃をしていますが、有権者を愚弄(ぐろう)するものでしかありません。
これだけムキになって共闘攻撃を強めるのも、野党共闘の持つ力に危機感を持っているからです。自民党内から、「当初、安泰と見ていた選挙区でも予断できないところが増えている」(同党関係者)の声が漏れています。(中祖寅一)