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2016年6月14日(火)

主張

参院選論戦本格化

憲法改悪許さない審判今こそ

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 参院選の公示まで10日を切り、街頭でもマスメディアでも、各党の論戦が本格化しています。見過ごせないのは安倍晋三首相(自民党総裁)をはじめ自民、公明の与党幹部が憲法「改正」問題にほとんど触れないことです。安倍首相は今度の参院選で「改憲発議に必要な3分の2以上の議席を改憲勢力で目指す」と主張してきました。選挙が近づくと経済政策「アベノミクス」の実行が最大の焦点だと言い出し、改憲に触れるのさえ避けるのは、国民をだまし選挙で勝てば一気に改憲を押し通すためではないのか。憲法改悪を阻止する国民の審判がいよいよ重要です。

3回目のごまかし許さぬ

 安倍首相は昨年の国会で憲法の平和主義も立憲主義も破壊する戦争法を強行した後、今度は憲法の条文そのものを改悪する明文改憲に乗り出す意向をことあるごとに繰り返してきました。当初は大規模災害などを口実にした「緊急事態条項」の新設などを手始めにする動きも見せましたが、その後は憲法9条から戦力の不保持を定めた2項を削除し、集団的自衛権を含めた「自衛権」の行使を全面的に認め、自衛隊を「国防軍」などに衣替えすることにまで踏み込んでいます。いずれも自民党が野党時代に作った「改憲草案」に盛り込まれており、文字通り日本国憲法の全面破壊がねらいです。

 安倍首相が今度の参院選で、自民、公明に加え改憲を支持する勢力で、改憲の発議に必要な3分の2以上の議席を目指すと発言したのは今年初めのテレビでのインタビューです。改憲は衆、参でそれぞれ3分の2以上の賛成で発議した後、国民投票にかけられます。自公はすでに衆院で3分の2以上の議席を占めており、参院でも発議に必要な議席を目指すと公言したのは、安倍首相の改憲への並々ならない執念を示したものとして重大です。安倍首相はその後も、自らの首相の任期中に改憲を実現するなどの発言を重ねています。

 そんな安倍首相が選挙が近づいた途端、参院選の最大の焦点は「アベノミクス」の実行だなどと言い出し、改憲にだんまりを決め込んでもそれは通用しません。首相には前歴があります。2013年の参院選でも首相は経済が最大の争点だといいました。ところが選挙が終わった途端、公約集には小さくしか書いてなかった秘密保護法の制定や集団的自衛権の行使容認を次々持ち出し、反対世論を無視して強行しました。14年末の総選挙でも消費税の増税を延期し最大の争点は「アベノミクス」だと主張しましたが、選挙が終わった後、数の力で強行したのが戦争法です。安倍首相の3回目のごまかしを許すわけには絶対にいきません。

憲法を守る政治取り戻す

 安倍首相が解釈改憲にとどまらず明文改憲に乗り出してくる中、どのメディアの世論調査でも憲法は変える必要がないという声が増え続けたように、国民が改憲を望んでいないのは明白です。特に安倍首相と自民党の「改憲草案」が狙うような憲法9条の全面否定や、個人の尊厳を認めず、権力を縛る憲法を国民を縛るものに変えてしまうような立憲主義の破壊を支持している国民はまずいません。

 世界で最先端の内容を持つ憲法は守り生かしていくべきものです。変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにする政治です。


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