2016年6月12日(日)
きょうの潮流
「赤旗」号外を配っていたら、街の一角で梅雨を告げるタチアオイが大輪を競っていました。白に薄紅、紫や赤。大地からまっすぐに茎を伸ばし、大振りの花を咲かせる姿から大望という花言葉もあります▼自分たちの手で政治や社会を動かしていく―。そんな大望をもった市民団体や個人が手を携え、立ち上がったのは半年ほど前でした。「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」。2000万署名の推進とともに野党統一のうねりをつくりました▼参院選を前に野党は結束。市民連合の要望も取り入れた共通政策は、個人の尊厳や暮らしにかかわる問題から辺野古の新基地建設、TPP合意にみられる安倍政権の強権政治を転換することまで豊かに発展しています▼もちろん安倍首相の執念深い憲法改悪にも反対。これまで2回の国政選挙では自らの経済政策を前面に掲げながら、その後に秘密法や戦争法を強行してきました。今度の自民党の選挙公約でも「憲法改正」は最後に目立たないようこっそりと▼三度(たび)くり返す、まやかしの二つの顔。それによって彼らに多数を与えることになれば憲法改悪は現実の問題になってしまいます。まさに戦後日本の分岐点です▼市民連合の一員でもある中野晃一さんは、いま大事なのは「分断されず、あきらめないこと」だと。日本共産党の志位委員長も党の参院選政策を発表した場で訴えました。「野党と市民が力を合わせれば政治を変える道はある。そういう希望を大いに語っていきたい」