2016年6月12日(日)
主張
公示まであと10日
暴走ノー、チェンジの審判を
安倍晋三政権が戦争法を強行して最初の国政選挙となる参院選公示の22日まであと10日です(7月10日投開票)。戦争法強行に続く改憲への策動、経済政策「アベノミクス」による暮らし破壊―。民意に逆らう安倍政権の暴走にきっぱりノーの審判を下し、チェンジ(転換)を実現する重要な機会です。「暴走を止めたい」「なんとしても政治を変えたい」と国民の切実な声は相次いでいます。すべての1人区で野党共闘が実現するなど歴史的な選挙戦で、野党統一候補の勝利、日本共産党の躍進で、未来を切り開こうではありませんか。
戦争法廃止の意思を示し
今度の参院選は、平和の問題でも暮らしの問題でも、暴走に暴走を重ねる「安倍政治」の全体が問われる選挙です。なかでも戦争法廃止の是非は、最大の争点です。
憲法9条を踏みにじり、自衛隊の海外での武力行使を可能にする戦争法案に対し昨年、国民・市民は空前の規模で国会を包囲し、全国津々浦々で「『戦争する国』絶対反対」「だれの子どもも殺させない」などと声を上げました。「市民が変える」「選挙を変える」「政治を変える」。参院選に向けて国民・市民の声はさらに高まっています。
戦争法強行後の世論調査でも多くの国民が戦争法反対の意思を示しているのに、その声を無視し、戦争法を施行した安倍政権と自民・公明両党の責任は重大です。
ある自民党議員は「国民は正月の餅を食ったら忘れる」と開き直りましたが、強行後も国民の怒りは継続し、戦争法廃止署名は1200万人を超えました。参院選の全国32の1人区で戦争法廃止、立憲主義回復を掲げる野党統一候補が実現したのも市民の運動の大きな後押しがあったからです。
安倍首相は戦争法廃止世論に背を向け、参院選では「アベノミクス」完全遂行が争点のようにいいます。最悪のごまかしです。首相は3年前の参院選、一昨年の総選挙でも「アベノミクス」が争点だといいましたが、選挙後「数の力」でやったのは、秘密保護法制定、集団的自衛権行使容認の閣議決定、戦争法強行です。今回も改憲を狙っています。こんなこそくな手口を国民は3度も許しません。
暮らしと日本経済を破壊し、いまや破綻が明白な「アベノミクス」をさらに加速させると主張すること自体、国民生活をかえりみない暴走です。国会決議に反し、ほとんどの農産品の関税を撤廃し農業に打撃を与える環太平洋連携協定(TPP)合意の推進、原発再稼働、沖縄での米軍新基地のごり押し―。民意に背く安倍政権の強権政治にノーを突き付け、政治を転換する機会にすることが必要です。
力をあわせて扉を開こう
1人区で野党統一候補が勝利し、比例代表や複数区を含め自公とその補完勢力を少数にすることで、政治は大きく変えられます。参院選で安倍政権を退陣させ、衆院の解散・総選挙に追い込み、政権交代を実現する道も開けます。
日本共産党は野党と市民が力を合わせる1人区で自民党を打ち負かすために力を尽くすとともに、比例代表と複数区での勝利へ全力をあげています。安倍政権と対決する確かな足場を持ち、国民と野党との共同をなにより大切にし、責任ある政権構想を提唱する日本共産党の議席を増やすことこそ、新しい政治の扉を開く保障です。