2016年6月11日(土)
暮らし応援 豊かな野党政策
すり寄る与党、中身なし
安倍首相と与党は、アベノミクスの失政を取り繕うため、保育や介護、雇用、奨学金など暮らしの課題で野党の政策にすり寄っています。しかし、「言ってることと、やってることが違う」(日本共産党の志位和夫委員長)のが実態で、内実がありません。これに対し4野党は、国民の切実な願いに応える共通政策を掲げ、すでに法案も共同提出しています。
「与党側が子育て支援や雇用問題などで野党が打ち出している政策に近寄っているような雰囲気が感じられますが」
9日の日本共産党の参院選政策発表の記者会見で、記者からこんな質問が飛び出しました。自民党は「子育てや介護への不安をなくし、女性や若者の活躍を応援する」(参院選政策)などと売り込んでいるからです。
保育所の待機児童問題で与党は、保育士の配置基準を緩和した「詰め込み」や基準の低い保育施設の導入が中心です。選挙政策で掲げる保育士の賃上げはわずか6千円。全産業平均との格差10万円に遠く及びません。
「長時間労働の是正」(公明)を掲げるものの、国会に提出しているのは長時間労働を野放しにする「残業代ゼロ」法案です。「同一労働同一賃金」も掲げていますが、実際にやったのは、“正社員ゼロ・生涯ハケン”を押し付ける労働者派遣法の改悪です。
「介護離職ゼロ」(自民)といいますが、野党の提出した介護・福祉職員の賃上げ法案に反対したのが、自民、公明の両党です。
返済不要の給付制奨学金も、「創設に向けて具体的検討」(自民)と言うだけで先送りです。来年度から導入する「所得連動型奨学金」は、収入ゼロでも返還させるものです。
これに対し野党4党は、保育の質を引き上げて「受け皿」も拡大。保育士の賃金を5万円引き上げる法案をすでに提出しています。
労働時間を法律で規制する労働基準法改正案も提出ずみ。次の勤務まで休息時間を確保する勤務間インターバル制度も導入します。給付制奨学金は導入を明記し、奨学金債務の減免も掲げています。
メディアも4野党の共通政策について「自民党と違う選択肢を示したことで、対立構図がはっきりし、わかりやすくなった」(「朝日」10日付)と評価しています。
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