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2016年6月10日(金)

主張

立憲主義の危機

政治の土台破壊は放置できぬ

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 公示まで2週間を切った参院選に向けた論戦のなかで、安倍晋三首相が「政策の違うものが選挙協力をやることは許せない」と野党共闘への攻撃を繰り返しています。安倍政権の暴走を阻むため野党と市民が力を合わせていることの分断を狙った不当な発言です。野党共闘は、昨年の戦争法強行によって安倍政権がつくりだした平和主義・立憲主義の危機を一刻も放置できないと結束したものです。「立憲主義を取り戻す」という政治の土台にかかわる大義にたった野党共闘を“野合”と中傷する安倍首相らの姿勢こそが問われます。

戦後史のなかの非常事態

 ちょうど1年前の6月初旬、衆院で審議入りしたばかりの戦争法案の違憲性が大問題になったことを、思い起こす人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 衆院憲法審査会で自民党推薦の憲法学者を含む3人の公述人がそろって戦争法案を「憲法違反」と断定したのをはじめ、日本共産党や野党の国会追及などを通じ、多くの国民が戦争法案の本質的な危険を見抜き、反対の世論が急速に広がっていく転機となりました。

 戦争法は、日本を「戦争できる国」につくりかえ、憲法の平和主義を破壊する希代の悪法です。中身が重大であるとともに、戦争法を推し進めた安倍政権のやり方そのものが異常極まるものでした。

 政権復帰後の13年夏、前例を覆し内閣法制局長官を自らの意に沿う人物にすげ替える。翌14年7月、歴代政権が憲法下では認められないとしてきた解釈を覆し、集団的自衛権行使を容認することを一片の閣議決定で強行する―。

 この閣議決定にもとづき、アメリカが海外で引き起こす戦争に自衛隊が参加し武力行使できることなどを盛り込んだのが戦争法です。こんな違憲立法を国会での審議も尽くさずに「数の力」で強行採決を繰り返し、昨年9月に成立を強行した安倍政権の歴史的暴挙は消し去ることはできません。

 憲法が権力を縛る立憲主義に真っ向から反して、戦争法を強行した安倍政権の下で、法治国家の土台が危うくされたことは深刻です。その後も憲法53条にもとづく野党からの臨時国会開催の要求を拒否し、「表現の自由」を蹂躙(じゅうりん)する高市早苗総務相の「電波停止」発言を擁護するなど、安倍政権は憲法無視の姿勢をあらわにしています。国家の暴走で個人の尊厳までも脅かす、立憲主義破壊の政治を許すわけにはいきません。

 憲法の枠組みに反する政治を行ってはならない立憲主義は戦後かつてない危機に直面しています。この非常事態をただし、立憲主義を取り戻すことは、あれこれの政策とは次元が異なる、政治の緊急課題です。政治の土台再建を最優先させることが政党・政治家に課せられた責任です。大義にもとづく野党共闘を“野合”と批判する自民・公明こそ無責任です。

初の国政選挙で審判下し

 全国32の1人区全てで野党統一候補が実現し、戦争法廃止・立憲主義回復以外の分野でも「共通政策」は豊かに発展しています。

 戦争法強行後の初の国政選挙となる参院選は日本の危機を打開する歴史的たたかいです。野党統一候補の必勝、比例代表と複数区での日本共産党躍進・勝利で安倍政権を追い詰めることが重要です。


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