2016年6月9日(木)
米首都 最賃時給15ドルに
市議会が法案可決
市長は署名の意向
【ワシントン=島田峰隆】米国の首都ワシントンの市議会は7日、市が定める最低賃金を段階的に引き上げて2020年に時給15ドル(約1600円)にする法案を全会一致で可決しました。今月末に最終的な採決を行います。バウザー市長は署名する意向を示しており、法案成立は確実とみられます。
米国ではここ数年、最賃時給15ドルを求める労働者の運動を受けて、カリフォルニア州やニューヨーク州、シアトル市などが相次いで引き上げを決めています。運動団体「ファイト・フォー・15ダラーズ」(15ドルを目指すたたかい)は7日、首都での引き上げ決定を「巨大な勝利だ」と歓迎しました。
法案によると、現在の最賃時給10・50ドル(約1120円)を毎年段階的に引き上げ、20年以降はインフレ率に連動させます。
米国の経済政策研究所(EPI)によると、ワシントンで働く労働者の14%にあたる約11万4000人の賃金が上がる見込みです。
バウザー市長は7日、「首都の生活費は上がり続けている。毎日、二つや三つの仕事を掛け持ちしてやり繰りしている労働者世帯がある」と語り、法案に支持を表明しました。
米国の最低賃金は連邦政府と地方自治体がそれぞれ定めます。連邦政府の現在の最賃は7・25ドル(約770円)です。