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2016年6月9日(木)

アベノミクス「果実」しぼむ

「税収増」で首相発言変更

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 「アベノミクス効果」による税収増「21兆円」が、あっという間に「13兆円」にしぼんだもようです。

 安倍晋三首相は1日の会見で、「アベノミクスによって、国、地方を合わせた税収は21兆円増加した」と述べていました。ところが本紙8日付が「実は消費税増税で水増し」と指摘したその日、首相は全国市長会議で発言を変えました。

 「この3年半で税収は国、地方合わせて21兆円増えた。そのうち消費税の5%から8%への引き上げによる増収は8兆円であり、13兆円はまさに私たちが進めてきた経済政策による果実だ」

 首相が比較したのは2012年度と16年度の税収見込みです。実際には、この間に増えた消費税収は9兆円にのぼります。その他の税収が12兆円増えたといっても、比較した12年度はリーマン・ショック後の経済危機と東日本大震災の影響で税収が異常に落ち込んだ時期です。

 16年度の税収見込みを「リーマン」以前の07年度と比べると、国民から奪った消費税増収以外の法人税や所得税などは軒並み減収になったままです。税収減は合わせて5兆円に達します。

 かつての税収を取り戻してすらいないのに、首相はアベノミクスの「果実だ」と強調し続けるのでしょうか。

(杉本恒如)


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