2016年6月9日(木)
きょうの潮流
主人公は高校3年の女子生徒。「さんいんナントカって私も行けるんだっけ!?」というほど、選挙について無関心な18歳。それでも好きな男子に近づくため、一緒に投票に行くことに―▼自民党の若者向けパンフ『国に届け』の中で描かれた漫画の内容です。タイトルは「軽いノリじゃダメですか?」。担当者はどんなきっかけでも投票してもらうことが大事と呼びかけますが、この漫画には多くの批判が起きています▼まずは無知な女子に男子が教えるという男尊女卑の設定。そこには、女性の活躍をいいながら企業に都合よく利用したり、いまだに“子どもを産んで国家に貢献して”と公言する、この党の時代錯誤な女性観がにじみ出ています▼政治は身近なもの、主権者としてかかわることの大切さ、そういう視点がないとの批判も。パンフには若手国会議員と17〜20歳の若者との座談会もありますが、ある議員は投票に行けば「白票だっていい」という無責任ぶり▼いま18歳選挙権の実施で各党とも若い有権者の心をつかもうと力を入れています。高すぎる学費やブラック企業、戦争する国づくりや格差と貧困をひろげ続けるアベノミクス。日本共産党の若者向けパンフ『JCPマガジン』は若者を苦しめている現状と解決策を▼他党議員も「よくできてる。参考にさせてもらう」と評した斬新なデザインと分かりやすい中身。そこには、一人ひとりの人間が個として尊重される社会を共につくろうという熱いメッセージが込められています。