2016年6月8日(水)
力合わせ参院選勝利を
4野党、市民連合「要望書」に署名
安保法廃止・改憲阻止 個人の尊厳守る
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」は7日、日本共産党、民進党、社民党、生活の党の野党4党と政策要望書を交わし、野党共闘を前進させ、参院選で自公を少数に追い込むために力をあわせることを確認しました。日本共産党の志位和夫委員長、民進党の岡田克也代表、社民党の又市征治幹事長、生活の党の小沢一郎代表が要望書に署名し、市民連合の代表らと固く手を握り合いました。
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要望書は、安保法制の廃止と立憲主義回復、改憲阻止とともに、個人の尊厳を擁護するための具体的な政策課題について提案しています。
立憲デモクラシーの会の山口二郎・法政大学教授は「安倍政権は憲法について黙っているが、万々が一でも3分の2(の議席)を取れば当然、憲法改正を打ち出してくる。憲法を守るたたかいをともにしていく」と強調。SEALDs(シールズ)の諏訪原健さん、安保関連法に反対するママの会の西郷南海子さんが、若者や女性の立場から個人の尊厳を守るための政策要望の実現を訴えました。
志位氏は「これからが勝負です。4野党と市民が本気で結束し、心を一つにたたかい、1足す1が2ではなく、3にも4にもなるというたたかいをやる必要があります」と強調しました。その上で、この間、確認してきた野党の「共通政策」に「市民連合」の政策要望が加わって「すべての国民の個人の尊厳を擁護する政治という太い柱が据えられた」と述べ、「この『共通政策』をしっかり掲げて、野党全体が勝利する流れをつくるためにがんばりぬく」と熱く決意を語りました。
岡田氏は「安倍さんは『アベノミクス』を問うと三番煎じでいっているが、本当の狙いは憲法の改悪。それを絶対阻止することを正面から打ち出してたたかっていきたい」と強調。又市氏は「32の1人区を勝ち抜いていくためには(野党が)相互に支援しあうことが求められている。参院選の勝利に向け、がんばりぬく」と述べ、小沢氏は「(政策を)現実政治で実行するためには選挙に勝たなければならない。私どももできる限りの努力をしてがんばっていきたい」と決意を表明しました。
市民連合の政策要望書
7日、市民連合と野党4党が調印した、市民連合の政策要望書の内容は次の通りです。
来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう野党4党に要望します。
I 安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)を実現すること、そのための最低限の前提として、参議院において与党および改憲勢力が3分の2の議席を獲得し、憲法改正へと動くことを何としても阻止することを望みます。
上記のIに加えて、市民連合は、個人の尊厳の擁護を実現する政治を求める市民連合として、以下のIIをすべての野党が実現するよう要望します。
II すべての国民の個人の尊厳を無条件で尊重し、これまでの政策的支援からこぼれおちていた若者と女性も含めて、公正で持続可能な社会と経済をつくるための機会を保障することを望みます。
日本社会における格差は、もはや経済成長の阻害要因となっています。公正な分配・再分配や労働条件を実現し、格差や貧困を解消することこそが、生活者の購買力を高め、健全な需要を喚起し、持続可能な経済成長を可能にします。
誰もが自由で尊厳ある暮らしを送ることができる公正で健全な社会モデルへの転換を図るために、格差のひずみがとりわけ集中してきた若者や女性に対する差別の撤廃から、真っ先に着手していく必要があります。
1.子どもや若者が、人生のスタートで「格差の壁」に直面するようでは、日本の未来は描けません。格差を解消するために、以下の政策を実現することを望みます。
保育の質の向上と拡充、保育士の待遇の大幅改善、高校完全無償化、給付制奨学金・奨学金債務の減免、正規・非正規の均等待遇、同一価値労働同一賃金、最低賃金を1000円以上に引き上げ、若いカップル・家族のためのセーフティネットとしての公共住宅の拡大、公職選挙法の改正(被選挙権年齢の引き下げ、市民に開かれた選挙のための抜本的見直し)
2.女性が、個人としてリスペクト(尊重)される。いまどき当たり前だと思います。女性の尊厳と機会を保障するために、以下の政策を実現することを望みます。
女性に対する雇用差別の撤廃、男女賃金格差の是正、選択的夫婦別姓の実現、国と地方議会における議員の男女同数を目指すこと、包括的な性暴力禁止法と性暴力被害者支援法の制定
3.特権的な富裕層のためのマネーゲームではダメ、社会基盤が守られてこそ持続的な経済成長は可能になります。そのために、以下の政策を実現することを望みます。
貧困の解消、累進所得税、法人課税、資産課税のバランスの回復による公正な税制の実現(タックスヘイブン対策を含む)、TPP合意に反対、被災地復興支援、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設の中止、原発に依存しない社会の実現へ向けた地域分散型エネルギーの推進