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2016年6月7日(火)

漫画に服に美術品…「不適切」と認めたが

調査報告・会見 舛添氏 金返せば済むのか

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(写真)舛添氏の政党支部が「資料代」33万円で購入した河野通勢の水彩画「自画像」

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(写真)舛添氏の政党支部が「書籍代」1万5000円で購入した中村不折の画賛色紙「水汲図」

 自らの政治資金問題をめぐり6日、弁護士2人による調査結果を公表した舛添要一都知事。本紙が指摘した支出についても触れられ、不適切だと弁護士も認めました。(矢野昌弘)


 本紙は、舛添氏の政党支部が福岡市の大型書店で、サッカー漫画「イナズマイレブン」や、児童書「ひっかけクイズ最強イジワル王への挑戦」など、子ども向けの本を少なくとも4冊を購入していたと報じました(5月19日付)。

 会見で佐々木善三弁護士は、書店がある福岡への訪問は家族同伴だったことを明らかにし、「家族のために購入したとみられてもやむを得ない」と指摘しました。

 漫画などの一部書籍購入について「違法ではないが、適切だったとは言いがたい」としました。

 舛添氏の政党支部は、訪問先のベルギーで衣料品6着を「備品」名目で3万8627円(10年9月4日)を支出していました(本紙5月19日付既報)。

 購入した服のブランドは、女性や子ども向けのカジュアル服のメーカーでした。

 この支出について、佐々木弁護士は「舛添氏の記憶が定かでなかった」と指摘。「政治資金の支出として不適切と言わざるをえない」とのべ、舛添氏に“是正”を求めました。

 多数の美術品購入について舛添氏と佐々木弁護士は、知事室などに絵画を展示するなど、政治活動に“活用”していると強調しました。

 しかし、調査結果としては「違法ではないが不適切」と言わざるをえませんでした。

 本紙は、舛添氏が購入した2点の絵画(5月24日付既報)を特定。舛添氏は、自身が政治活動を引退する際に、購入した美術品を「病院や福祉施設」に寄贈する意向を示しました。

 佐々木弁護士らは、舛添氏の趣味・特技の書道については政治活動に役立っているならば「支出が不適切とはいえない」とかばいました。

 趣味への支出であっても政治活動の口実があれば、何を買ってもいいのか。批判を受けても、お金を返せば済む問題ではないはずです。

■不適切とされ返金するとした費用

 【宿泊費】6件

 山口県下関市、大阪市、横浜市、栃木県日光市、千葉県木更津市のホテル、旅館

 合計80万2841円

 【飲食費】14件

 天ぷら料理店、イタリアレストラン、回転すし店など

 合計33万6495円


解説

裏付け不足 説明うのみ

 舛添要一東京都知事は6日、都庁で会見し、自らの政治資金疑惑をめぐる「調査報告書」を公表しましたが、一部を返金するとしたものの、すべての支出が「違法とはいえない」と結論づけました。

 報告書は、家族旅行で宿泊した都外のホテル6件について、「主たる目的は家族旅行」「政治資金を用いたことが適切であったと認めることはできない」と指摘。舛添氏は80万2841円を返金すると答えました。

 調査報告書は全体として、舛添氏の説明をうのみにし、裏付け調査をしたものとはいえません。

 グローバルネットワーク研究会(2014年解散)が、13年と14年の正月に千葉県木更津市の温泉ホテルでの家族旅行の宿泊費を「会議費」として支出した問題は、政治資金オンブズマンが政治資金収支報告書の虚偽記載罪容疑で告発し、焦点になっている疑惑です。

 報告書は、舛添氏の説明内容をもとに、本人が家族と宿泊した客室に出版社社長(元新聞記者)を招き、数時間から1時間程度「面談」「相談」したという舛添氏の説明が正しいとする前提のもので、「適切であったと認めることはできない」とせざるをえませんでした。

 しかし、会見に同席した弁護士の一人、佐々木善三氏は、「(関係者に)どういう確認をしたのか」との質問に対し、「出版社の社長ご本人からヒアリングすることはできなかった」と説明。「ヒアリングした関係者は」との関連質問にも、「関係者とは、関係者ですよ」と語気を荒らげ説明を拒みました。

 この日の会見は記者クラブではなく都が主催し、質問者が手を挙げているにもかかわらず1時間8分で会見を打ち切りました。

 舛添知事の高額海外出張、公用車の私的利用、政治資金疑惑に対し、2日までに2万4400件の抗議・意見が都に殺到し、知事辞職を求める世論が高まっています。(岡部裕三)


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