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2016年6月6日(月)

きょうの潮流

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 あれは20年前の夏、米南部のアトランタで開かれた五輪の開会式でした。国際オリンピック委員会(IOC)加盟の国と地域が初めて勢ぞろい。近代五輪100周年を祝いました▼人類の祭典の歴史が彩られ、あのキング牧師の名演説「私には夢がある」が流れる。人種の壁をのりこえ、平和な世界を願う記念の式典。それが最高潮に達したのが、聖火リレーの最後を飾ったモハメド・アリ氏の登場でした▼すでにパーキンソン病を患っていたボクシングの元世界チャンピオン。震える手で聖火台に火をともす姿を世界中の人たちと見守った記憶がよみがえります。このとき彼はIOCから金メダルを贈られました▼60年のローマ五輪で優勝したアリ氏。米国に帰国後、黒人であることを理由にレストランの入店を断られ、金メダルを川に投げ捨てたというエピソードがあります。プロ転向後は奴隷の名は捨てると、カシアス・クレイからモハメド・アリに▼批判にさらされても信念を曲げない姿勢は徴兵も拒みます。ベトナム戦争に反対し、彼らには何の恨みも憎しみもないと。世界タイトルを剥奪され3年半も締め出されながら、頂点に返り咲きました▼チョウのように舞い、ハチのように刺す。ボクサー・アリの代名詞は時代にあらがい自由を求めた生き方にも。差別や戦争、病とたたかってきた74年の生涯。晩年は各地から来るファンレターの返信にいそしんでいたといいます。好きな「人びとの愛に宿る力」、そして「平和」の言葉を添えて。


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