2016年6月5日(日)
首相が野党共闘を攻撃
広がる共同に警戒の表れ
安倍晋三首相は3日、福島県郡山市で演説し、民進党が参院選に向け日本共産党と協力していることに関して「私は許すことができない」などと野党の共闘を攻撃しました。
戦争法を正当化
安倍首相は、北朝鮮のミサイル問題などを持ち出して戦争法を正当化したうえで「これを廃止しようとしているのが民進党と共産党だ」と発言。「共産党は東日本大震災で一生懸命頑張った自衛隊を、将来解散しようとしている。日米同盟を破棄しようとしている」などと語りました。
いまの野党共闘は、安倍政権が強行した戦争法の廃止に向け、「野党は共闘」との市民の声に背中を押されて実現したもので、立憲主義と民主主議という日本の政治の土台を取り戻すための大義ある共同です。
日本共産党の志位和夫委員長が、昨年9月に戦争法廃止のための共同をよびかけた当初から、この野党共闘に自衛隊解消や日米安保条約廃棄を持ち込まないことは何度も表明しているとおりです。
安倍首相は、大震災での自衛隊の救助活動まで持ち出して攻撃していますが、そもそも日本共産党は災害時の自衛隊の救助活動に反対したことはありません。安倍首相の的外れの攻撃からは、市民と野党の共同に対する危機感と焦りが透けて見えます。
危険へ追い込む
戦争法は、救助活動で活躍する自衛隊員を、危険な外国の戦争にかりだすもの。「殺し殺される」危険へと追い込もうとしているのは、安倍政権自身です。
安倍首相はまた、「民進党はアベノミクスが失敗していると言っているが、対案はあるのか。共産党と一緒にどんな経済対策を出そうとしているのか」とも述べて攻撃しました。
日本共産党と民進党、社民党、生活の党の4野党は1日の書記局長・幹事長会談で「アベノミクスによる国民生活の破壊、格差と貧困の拡大を是正」を確認し、暮らし優先の経済政策へと転換する方向性で一致しています。
野党分断をはかる安倍首相の攻撃には、国民が求める野党間の共同の広がりへの強い警戒心が表れています。