2016年6月5日(日)
きょうの潮流
そこまでして彼らにいてほしいのか。沖縄県うるま市での、元米海兵隊員が20歳の女性の命を奪った事件を受けて、政府が3日に発表した「犯罪抑止」策を見て、強い憤りを覚えました▼警察官を増やす、地域の防犯=いわゆる青パトを増やす、防犯カメラや街路灯を増やす…どれもこれも、諸悪の根源である米軍の存在を前提にした対症療法でしかありません。しかも沖縄県全域でそのような対策を強化するなど、ほとんど不可能です▼さらに驚いたのは、学校で防犯教育を充実させる、というものです。一体、どんな教育をするのでしょうか。「米兵は怖い人たちだから近づかないように」と教えるのでしょうか▼政府は今回の事件がどのように発生したのか、本当にわかっているのか。容疑者は公道でウオーキングしていた女性を背後から突然、棒で殴り、首を絞め、ナイフで刺したと言います。このような凶悪犯罪から身を守るために、学校で教えられることなどありません▼第2の基地県・神奈川の黒岩祐治知事は「根本的な解決にはならない」と批判しました。地元紙、琉球新報の世論調査では、「再発防止策」として、県民の4割超が「全基地撤去」を望みました。基地あるがゆえの事件・事故だから、当然の意見です▼それでも政府と自公両党は、この「犯罪抑止」策を成果であると考え、参院選沖縄選挙区での訴えの目玉にしようとしています。この感覚のずれは異常です。米軍とともに、彼らの支配も取り除かなければなりません。