2016年6月3日(金)
公用車使い選挙応援
共産党都議団 舛添氏の新疑惑告発
日本共産党東京都議団(17人)は2日、都庁で記者会見し、舛添要一知事の公用車不正使用の新たな事実と、美術館視察を名目にした公私混同の新たな疑惑があると告発しました。吉田信夫団長、曽根はじめ副団長、里吉ゆみ都議が会見で調査結果を発表しました。
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共産党都議団は、舛添要一知事が目黒区長選告示日の今年4月10日、公用車を使用して現職区長候補の第一声の応援にかけつけていた事実を明らかにし、重大なルール違反だと告発しました。
吉田信夫団長は会見で、情報開示請求で入手した知事週間日程予定表と公用車の運転日誌では、4月10日は午前中に陸上自衛隊第1師団創立54周年記念式典、江戸川区で開かれていた日本観賞魚フェアに公務として出席。午後2時から「政務」として目黒区に回り、午後2時20分ごろに自宅のある世田谷区に帰ったことが判明したと説明しました。
吉田氏は、都の規則では、公用車は公務のために使うものと明記しているとし、党都議団の問い合わせに対し政策企画局は「公用車を使用しない例として、選挙応援など政治活動を挙げて(知事に)説明してきた」と紹介。「税金で運行・管理されている公用車を、選挙の応援のために使うのは、重大なルール違反だ」と厳しく批判しました。
さらに、全国では首長や議員が選挙応援に公用車を使用したことに対し、住民監査請求や住民訴訟が起こされ、経費を返済した例もあるとし、知事に対して経費の返還を求めると語りました。
目黒区長の支援者は本紙の取材に対し、現職区長の区長選告示日の第一声で、舛添知事は応援演説をしたと語りました。
「視察」7回は名目だけ
美術館巡り 公私混同厳しく批判
美術館視察について共産党都議団は、舛添要一知事が昨年3月から今年の4月までの1年間、美術館と博物館の視察を計39回行ったうちの少なくとも7回は、「視察」の名による単なる美術鑑賞であったなどとの調査結果を発表。知事の姿勢は「公私混同である」と厳しく批判しました。
調査は、都立施設(6回)や、知事自身が目的などを説明した展覧会(3回)を除く、30回の視察について実施。そのうち、7回は2020年東京オリンピックへの協力要請ではなく、作品の鑑賞のみだったことが明らかになりました。視察として3回訪れた太田記念美術館では「3回とも知事からの協力要請はなかった」と回答しています。
視察した展覧会のうち、7回は浮世絵展であり、「視察」と称して知事の個人的趣味にそった鑑賞をしていたことが判明。3月17日には2カ所で「勝川春章」展を視察していますが、2カ所とも知事からの「協力要請」はなかったと話しています。
39回の視察のうち、文化振興を所管する生活文化局が関わった視察が31回で、全て知事からの指示によるものであり、知事の個人的趣味に都の職員を動員し、公用車を使用していました。
舛添知事は視察について美術館から「お招きいただくことがほとんど」と説明していましたが、調査ではそれが偽りであることが明らかになっています。
吉田氏は「さまざまな分野で知事が公私混同していることが浮き彫りになっている」とし、都議会で知事をただしていきたいと述べました。