2016年6月1日(水)
「無戸籍児」うむ嫡出推定
民法改正案 仁比議員が指摘
参院委で可決
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女性の再婚禁止期間を現行の6カ月から100日に短縮することを盛り込んだ民法改正案が31日、参院法務委員会で全会一致で可決しました。
これに先立つ質疑で、日本共産党の仁比聡平議員は、再婚禁止期間を設ける理由になっている嫡出推定(772条)規定についてただしました。
仁比氏は、再婚禁止期間について、▽離婚時に妊娠していない▽離婚後出産した―場合は、医師の証明などで婚姻届が受理されると改正(733条2項)されることを示し、「技術の発展によって簡単安価な方法で、再婚禁止期間が働かない扱いができる法になった」と指摘しました。
嫡出推定で問題になる「父性推定が重複する場合」についても、最高裁判決の反対意見で「ごく例外的な場合に限定される」と指摘されていると強調。法務省の小川秀樹民事局長は「前婚中に懐胎しているか、または可能性が否定できず、いまだ出産していない場合に限られる」と認めました。
仁比氏は、離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子とする嫡出推定(300日問題)によって、戸籍を届け出ない「無戸籍児」が生まれていると追及。無戸籍児に関するアンケートでは76%が、300日問題を避けることから無戸籍を選んだと回答していることを示しました。小川局長も「前夫の子として届け出されることを好まないことから」と述べ、嫡出推定が問題の背景にあることを認めました。
仁比氏は、「嫡出推定規定を見直し、男女平等の立場から再婚禁止期間は撤廃に進んでいくべきだ」と強調しました。