2016年6月1日(水)
きょうの潮流
みなさんの周りにもいませんか? 自分は悪くないと、非を認めない人。誤ったり責任を問われたりしても、他人や環境のせいにする。こういう人たちにはいくつかの特徴があるといいます▼指摘されるのが嫌い、他人に責任転嫁する、防衛本能が強い、本当は罪悪感を感じている、プライドが高い。インターネットで多様な生活情報を発信しているメディアが紹介しています。“私は悪くない症候群”という言葉も▼サミットで世界の首脳をあきれさせた安倍首相もその1人か。突然持ち出した「リーマン・ショック前」発言は総すかん。メルケル独首相やキャメロン英首相は「世界経済は安定成長の兆しをみせている」。オランド仏大統領も「危機ではない」と明言しました▼世界中から異論や批判を浴びたお騒がせ発言。その後に出てきたのが消費税増税の先送りでした。アベノミクスは順調だが世界経済が不安だから増税できないとばかりに▼深刻なのは戦後初めて2年連続で個人消費がマイナスになった日本経済。実質賃金は下がる一方で冷え込む消費。大企業と富裕層だけが潤い、広がる貧困と格差。経済と暮らしを深刻な危機に陥れたアベノミクスを正当化するためには、こじつけも平然としたもの。そこには罪悪感さえも…▼古来、独善の権力者ほどたちの悪いものはありません。経済失政とともにアベ政治の数々の誤りと強権ぶりを挙げた野党共同の内閣不信任案。いつまで国を壊しても言い続けるつもりなのか、私は悪くないと。