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2016年6月1日(水)

甘利氏ら不起訴

東京地検特捜部 口利き解明なく

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 甘利明前経済再生担当相の金銭授受疑惑で、東京地検特捜部は31日、あっせん利得処罰法違反と政治資金規正法違反で刑事告発されていた同氏と元公設秘書、元政策秘書の3人を不起訴処分(嫌疑不十分)としました。金銭を送った側が口利きを明確に認めている事件を不起訴としたことに疑問と批判が強まらざるを得ません。

 甘利氏側は、都市再生機構(UR)と千葉県白井市の建設会社「薩摩興業」との補償交渉に絡み、口利きの見返りに現金を受け取った疑いが持たれています。

 薩摩興業の総務担当だった一色武氏(62)は『週刊文春』などの取材に、甘利氏が口利きを明確に認識していたと証言しました。

 甘利氏は1月の記者会見で、一色氏から2013年11月と14年2月に各50万円を受け取ったことを認めました。元秘書についても、一色氏から13年8月に500万円を受領し、UR職員と補償交渉に関して話し合ったことを認めました。

 しかし、口利きについては否定。政治資金として処理するよう秘書に指示したと釈明していました。

 特捜部は今年4月、市民団体「政治資金オンブズマン」などの告発を受け、UR本社や薩摩興業などを家宅捜索。5月末には甘利氏本人も任意で事情聴取しています。

解説

不正明白 国民は納得せず

あっせん利得処罰法は、国会議員や秘書が権限にもとづく影響力を使って口利きをし、見返りに報酬を受け取ることを禁じ、違反すれば罰する法律です。

 薩摩興業とURの補償交渉は、利害や目的が明確な契約に関するものです。重要閣僚を歴任し、URに影響力を駆使できる立場にいた甘利氏が、それに関与して金銭を受けとったわけです。まさに絵に描いたような同法に抵触する不正を問題なしとしたことは、国民の納得を得ることができないでしょう。

 薩摩興業の総務担当だった一色武氏は、口利きをしてもらうために金銭を甘利氏側に渡したことを明確に証言しています。それも録音にもとづいた確たるものです。甘利氏も金銭授受を認めざるを得なかったように、言い逃れのできる疑惑ではないはずです。

 甘利氏は1月末に経済再生担当相を辞任後、体調不良を理由に国会を欠席し国民への説明責任をまったく果たしていません。甘利氏を閣僚に起用した安倍首相もまるでひとごとのような態度です。

 検察が大甘の判断をしたからといって、政治家としての説明責任は決して免れません。真相が解明されるまで徹底した追及が引き続き必要です。

(森近茂樹)


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