2016年5月30日(月)
ハンセン病語り継ぐ
群馬大でシンポ 170人が参加
谺さんの生涯 映画制作報告
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群馬大学社会情報学部附属社会情報学教育・研究センターは28日、前橋市の群馬大学荒牧キャンパスで「ハンセン病問題シンポジウム」を開き、学生や一般人約170人が参加しました。
草津町の栗生(くりう)楽泉園入所者自治会会長の藤田三四郎氏が基調講演し「己を愛するように万分の一でも他人を愛することが大事だ」と訴えました。
社会情報学部が昨年度、地域貢献事業として、▽ハンセン病の歴史を伝えるボランティアガイド養成▽中高生に分かりやすく学んでもらうことを目指したガイドブック制作▽ハンセン病国家賠償訴訟の中心的存在だった故谺(こだま)雄二氏の生涯を伝える映画制作―について報告し、映画を上映しました。
ガイドブックと映画は学生主体で制作。制作に携わった学生たちは「ハンセン病問題を風化させてはいけない。語り継がなくてはいけないという思いをより一層強くしました」などと語りました。
谺氏の最後の詩文集を編集した姜(きょう)信子氏が「いのちと名前」と題して講演。本名を奪われたハンセン病患者が生きた証を残すために「谺さんが願っていた、療養所に収容された全ての人の本名や空白が『人権の礎』に刻まれることを強く願っています」と述べました。
閉会のあいさつで、社会情報学部長の富山慶典氏は「ハンセン病問題に向き合い続けること、ハンセン病問題のようなことを二度と繰り返さないように考え続けることが、私たちの宿題だ」と呼びかけました。