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2016年5月30日(月)

平和のための学問広げる

「軍学共同」反対シンポ

京都大で学者の会

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(写真)基調講演をおこなう池内氏=29日、京都市

 「安全保障関連法に反対する学者の会」は29日、京都大学(京都市左京区)で、安倍政権がすすめる「軍学共同」を考える、「『軍学共同』反対シンポジウム―平和のための学術を求めて」を開き、150人が参加しました。

 広渡清吾東京大学名誉教授・日本学術会議前会長と、井野瀬久美恵甲南大学教授・日本学術会議副会長が開会あいさつ。広渡氏は「安保関連法などに反対する政治運動とともに、学問、科学者の在り方、いかに平和のための学問を広げるかが問われている。社会的議論を広げる契機にしたい」と述べました。

 井野瀬氏は、学術会議が20日に「安全保障と学術に関する検討会」を設置したことについて、軍事研究否定の方針を転換するかのように報道されているが、軍事研究を否定した学術会議の二つの「声明」は検討対象に入っておらず、それを見直すためのものではないと強調しました。

 「学者の会」呼びかけ人の池内了名古屋大学名誉教授が、「軍学共同の現在と学術の将来」について基調講演。「『軍学共同』とは、いかにも対等の立場に聞こえるが、学者、研究機関が防衛省の下請けになること」と述べた池内氏は、軍学共同がすすめられてきた経過を説明。軍からの研究費が大学をゆがめる「これはまさに研究者版の『経済的徴兵制』です」と告発しました。

 第2部、第3部では「防衛省安全保障技術研究推進制度」「大学の財政問題の現状と課題」などについて、大学教授、研究者から報告がおこなわれました。

 ノーベル賞受賞の物理学者、益川敏英氏からのメッセージが紹介されました。

戦争と平和の分水嶺

ノーベル賞 益川さんメッセージ

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(写真)益川敏英氏

 「『軍学共同』反対シンポジウム」で紹介された、ノーベル賞受賞の物理学者・益川敏英氏のメッセージは以下の通りです。

 今迄も歴代内閣は、平和憲法の精神を徐々に逸脱し変質させてきた。しかし、其れでも憲法は明確に生きていた。五年ほど前に東支那海に百屯ほどの不審船を発見した自衛艦は20ミリ機関砲を警告発砲は出来ても、実射ができなかった。

 安倍内閣は先に発砲できる交戦権が欲しいのである。是は明確に現行憲法九条が禁止している。是を乗り越えるには憲法無視しかない、と安倍内閣は判断している。

 是と歩を合せたものが本日の露骨な軍事共同の推進で、今迄の陰でこっそりと、とは分けが違う。我々も本腰を入れて対決しなければならない。日本を戦争の出来る国にするのか、平和な日本を守るのか、の分水嶺に来ている。

 このシンポジウムの成功を足場に平和な日本を守りましょう。

名古屋大学KMI研究機構 益川 敏英


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