2016年5月29日(日)
障害者の98% 年収200万円以下
“親依存の生活”浮き彫り 権利条約に程遠く
きょうされん生活実態調査
障害者の81・6%は年収122万円以下で、98・1%が年収200万円以下であることが28日までに、明らかになりました。障害者団体「きょうされん」(西村直理事長)の地域生活実態調査によるもの。1万4745人が回答。
回答者の内訳は、男性が8865人、女性が5443人。平均年齢は41歳です。
主な収入源は、障害基礎年金2級が6111人(43・6%)と一番多く、障害基礎年金1級が5263人(37・6%)と続きました。
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生活保護利用率一般の6倍以上
生活保護利用者は1677人。有効回答者1万4729人中の11・4%を占めました。国民一般の利用率は1・7%で(1月分概算)、障害者の保護利用率は6倍以上の高さ。
同居者に関する調査では、親との同居者の割合が54・5%を占めています。50歳代前半でも34・9%が親と同居しています。
きょうされんは、障害者の暮らしぶりについて「“親依存の生活”であることが浮き彫りにされた」と指摘。障害者権利条約が求める「誰とどこで暮らすかは自らが決める」という社会のあり方にとても及ばない現状だと強調しています。
障害者の所得保障と“親依存の生活”は、障害者や家族らの長年の課題です。きょうされんは、これらを解決するためには、政府の責任で障害者の生活実態調査を全国で実施したうえで、障害者がかかわるあらゆる制度の内容を再検討することが必要だと述べています。
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