2016年5月29日(日)
避難所改善要求実った
熊本市交渉 被災者 立ち上がる
熊本地震で劣悪な避難所生活の環境改善を求め、被災者が立ち上がり事態を前に進めています。熊本市との交渉に臨んだ被災者の思いを聞きました。(角政美通信員)
「もうがまんならんと声をあげたら、本当に変えることができた」―。熊本市中央区の五福公民館に避難する男性(50)は興奮気味に話します。同じ避難所の被災者らに呼び掛けて、26日に「平和と民主主義を守る熊本市民連絡会」がおこなった熊本市との交渉に自発的に参加しました。
1カ月半に及ぶ避難所生活は、精神的にも肉体的にも限界を超える状況になっています。「言うべきことは言わないと、不満を感じているだけでは思いは伝わらない」と奮い立ちました。
熊本市との交渉参加は、避難所の近所にあった日本共産党の熊本県委員会で支援物資を配布していると「口コミ」で聞き、通っていたのがきっかけでした。国の被災者保護を指示した通知と自分たちの置かれている環境の実態がかい離していることを知らされました。
交渉での要望は、食事、飲料水、シャワーと多岐にわたりました。
要望はみごとに実現。「被災者の意見が通った。でもまだまだ声をあげないとだめな状況です」と男性は力を込めて語りました。
熊本市と交渉
熊本市との交渉に参加した被災者の男性(50)は避難所の環境改善について、こう語ります。
「飲料水は基本的に夕食時にペットボトルが1本(500ミリ)だけだったのが、今では要望すればもらえるようになりました。シャワー室はありましたが、物置代わりになっていて使えませんでした。みんなで協力して片付け、使えるようにしました。調理室が使えるようになったのも交渉の成果です」
これまでの苦労について男性は「避難した時は着の身着のまま。着替えなどは持ち出せませんでした。子どものお菓子や暑くなってきてからのタオルケットなどが手に入らず困っていたので、共産党の支援物資には助かりました」と振り返りました。
69歳と43歳の母娘は「要望の実現は、団結して声を上げた私たち市民の力。私たちの声が(大西一史)市長を動かしました」と言い、これからの課題として「食べ物や施設の改善だけでなく、権利や人権についても、もっと考えてほしい」と求めました。
被災者の声を聞き、ともに交渉に参加した益田牧子党熊本地区副委員長は「『はやく共産党のことを知っていればよかった』の声もありました。信頼関係を築けてよかった」と話し、「困っている人たちの声を聞くことが要求実現につながる。これからも避難所に足を運び、被災者に積極的にかかわることで信頼関係を築き、支援する必要性を強く感じました」と述べました。