2016年5月28日(土)
熊本地震 避難所食事 改善もっと
1食は弁当になったけれど…
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熊本地震の被災者の強い要望を受けて、熊本市は26日からすべての避難所に対し、毎日3食中1食は弁当を配食することを決定しました。しかし、残り2食はパンやおにぎりの所が全県的にほとんどで、被災者はさらなる改善を求めています。
「ありがたいけど、他の2食も何とかしてほしい」―。
初めて提供された弁当を食べていた中央区の五福公民館に避難する男性(50)はこう訴えます。
熊本県の野尾晴一朗健康福祉政策課長は本紙の取材に対し、熊本市以外の避難所でも「1日1食は弁当を配食している」と説明。一方で、「当面はこの状態でいく」としました。
益城(ましき)町の総合体育館に避難している女性(73)は「1食だけが弁当では不十分。朝と昼はパンで栄養が偏り、健康が心配」と話します。
避難所の食事は災害救助法に基づき提供されます。国が定める食費の基準額は、現時点で1人当たり1日1110円以内です。特別基準を設定して上乗せすることができます。東日本大震災で被害を受けた宮城、岩手、福島の3県では、災害救助法の特別基準を設定し、食費を1日1人当たり1500円以内に引き上げた経緯があります。
内閣府の担当者は本紙の取材に対して「栄養バランスなどを見て、必要があれば基準額を上回ってもいい」と回答しました。
日本共産党の山本伸裕県議は、避難所の食事について「依然として改善が必要」と指摘。「災害救助法の特別基準を適用して、温かく栄養に配慮した食事をさらに提供できるようにするために、引き続き国、県に要求していく」と語りました。
(桑野白馬)