2016年5月28日(土)
“リーマン・ショック前の状況”発言
安倍政権の経済失政の責任を世界経済に転嫁するもの
志位委員長が批判
日本共産党の志位和夫委員長は27日、党本部で記者会見に応じ、「伊勢志摩サミット」(主要国首脳会議=G7)に臨んでいた安倍晋三首相が26日、今日の世界の経済状況について、「リーマン・ショックの前の状況に似ている」と発言したことについての見解を問われ、「G7の首脳宣言を見ても、『世界の経済は回復している』というのが全体の評価です。『リーマン・ショックの前の状況』だといっているのは世界の中でも安倍首相だけの話で、世界に通用する話ではないと思います」と述べました。
志位氏は、「『リーマン・ショック』というなら、日本の経済情勢こそそうなっています」と指摘。2014、15年度と2年連続で経済の6割を占める個人消費のマイナスが続いており、リーマン・ショックが起きた08年度も個人消費は単年度ではマイナスを記録したものの、翌年度はプラスになったと強調し、「リーマン・ショックのときに比べても、いま起こっている個人消費の落ち込みは、より深く、より長いものになっています。『リーマン・ショック』ということをいうなら、日本経済の実態こそ、そういう状況になっており、世界の問題ではないと思います」と述べました。
さらに志位氏は、「安倍首相自身が行ってきた経済政策=アベノミクス、そして消費税の大増税が、こういう事態をつくった。自らの失政の責任を『世界経済』に転嫁するというのは成り立ちません」と述べました。
その上で、消費税の10%増税の延期が検討されている問題にふれつつ、「増税路線そのものが破綻したことは明瞭なわけですから、10%は延期ではなく、きっぱり断念すべきだと求めていきたい」と表明しました。
内閣不信任案について
また、民進党の岡田克也代表が27日、内閣不信任案を提出しない理由はみつからないと述べたことについて問われた志位氏は、「私たち野党4党としては、2月19日の5野党党首会談で『安倍政権の打倒を目指す』という合意をしています。ですから、この立場で話し合って結論を出していきたい」と述べました。