2016年5月28日(土)
世界経済「下方リスク」
サミット閉幕 首脳宣言を採択
三重県志摩市で開かれていた主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)は27日、首脳宣言と6本の付属文書を採択して閉幕しました。世界経済について宣言は「下方リスクが高まってきている」との認識を表明しました。
危機を回避するため「全ての政策対応を行う」とし、財政出動、金融政策、構造改革の「3本の矢のアプローチ」を提唱しましたが、「各国の状況に配慮」すると明記し、具体策は各国に委ねました。
宣言には、タックスヘイブン(租税回避地)を利用した税逃れ対策が盛り込まれたものの、これまで経済協力開発機構(OECD)と主要20カ国・地域(G20)が決めた対策を追認しただけでした。多国籍企業や富裕層に甘く、税逃れの不利益をこうむる人々の側に立った内容とはなりませんでした。
南シナ海、東シナ海における中国の動向については、名指しを避けつつ「懸念」を表明。海洋安全保障では「国際法に基づき主張を行い、力や威圧を用いず、司法手続きを含む平和的手段を追求する」としました。
北朝鮮の核・ミサイル開発については「最も強い表現で非難する」とし、国連安全保障理事会の決議や2005年の6カ国協議共同声明の履行を要求しました。
宣言はまた、原発について「ベースロード電源」と規定し、固執する姿勢を示しました。