2016年5月27日(金)
原発敷地外の送電鉄塔
耐震規制の対象外
藤野氏批判
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日本共産党の藤野保史議員は26日、衆院原子力問題調査特別委員会で質問に立ち、原子力規制委員会が、原発敷地外の送電鉄塔(外部電源)の耐震性について規制対象外とし、危険性を軽視していることを批判しました。
藤野氏は、同委員会による関西電力高浜原発(福井県高浜町)の現地視察(23日)をもとに質問。地震が起こった場合、鉄塔が倒壊して原子炉建屋を直撃する危険や、土砂崩れで構内道路がふさがれたり非常用の注水ポンプや電源設備が機能しなくなれば事故対応ができなくなる危険を指摘しました。
経済産業省は、2000年以降に国内で特別高圧の送電鉄塔の倒壊事故は8件あり、高浜原発10キロ圏内に200基の送電鉄塔があると説明。藤野氏は、重大事故に至った東京電力福島第1原発事故のほか、05年に北陸電力志賀原発でも鉄塔倒壊で冷却に必要な電源を失う重大事態を引き起こした例をあげ、複数回線を確保するのも大事だが「回線(送電鉄塔)の強度を高めていくことが必要だ」と、規制委に対策を求めました。
田中俊一規制委員長は、鉄塔につながる電源設備の耐震クラスが最低レベルの「C」で問題ないという認識を示すとともに、原発敷地外の鉄塔は規制の対象外だと述べました。藤野氏は、昨年4月に3、4号機の運転差し止めを命じた福井地裁決定を引いて、「“第一の砦(とりで)”である外部電源を、規制対象外のものに依存している状況だ」と、規制委の姿勢を厳しくただしました。