2016年5月27日(金)
リニア活断層対策なし
参院委 「地震に強い」は安全神話
辰巳氏質問
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日本共産党の辰巳孝太郎議員は26日の参院国土交通委員会で、JR東海が建設を進めるリニア中央新幹線について、熊本地震と同程度の地震を引き起こす危険のある活断層帯が路線を横切っているにもかかわらず安全神話を振りまいてきたJR東海と国の責任を追及しました。
辰巳氏は「最も重要な使命は安全であり、事業化の大前提だ」と強調した上で、リニアの路線が、糸魚川―静岡構造線断層帯、曽根丘陵断層帯などマグニチュード7超の地震を起こす危険のある七つの活断層帯を横切り、活断層の数は30を超えていると指摘しました。
辰巳氏が「活断層のリスクを評価し、対策をとっているか」とただすと、国交省の藤田耕三鉄道局長は「個別の活断層のズレに対する評価はしていない」と認めました。
辰巳氏は、国交省のリニア実用化に向けた技術評価委員会が活断層の評価もせずに「技術や運営方法が確立している」と結論付けたことを追及。活断層がずれて軌道が破壊されれば、時速500キロメートルのリニアが破損した構造物に激突する危険があると強調しました。
辰巳氏は「リニアが地震に強いシステムだと楽観論を振りまいてきたJR東海と、認可した国の責任は重い」と批判し、建設をやめるよう迫りました。石井啓一国交相は「JR東海に、リニアが多くの活断層と交差することを踏まえ、万全の対策を行うよう指導していく」と答えました。