2016年5月27日(金)
日米会談 沖縄の願いに背
女性遺棄 オバマ大統領 謝罪せず
安倍首相 地位協定改定言及なし
日本「辺野古が唯一」不変
安倍晋三首相とオバマ米大統領は25日夜、G7首脳会合に先立って三重県志摩市内のホテルで会談しました。沖縄県うるま市で起きた元海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件への両首脳の発言が注目されましたが、大統領から謝罪の言葉は一言もなく、両首脳とも、沖縄県の翁長雄志知事が首相に直接要請したオバマ氏への面会と日米地位協定の抜本改定に言及しませんでした。
翁長知事は首脳会談直後、那覇市内で記者団に対して「大変残念」と述べ、「このまま日米地位協定の改定がなされなければ、県民は米軍基地に対する不安を解消できず、これ以上耐えることはできない」と批判しました。
首相はまた、会談後の記者会見で、信頼回復に向けて「沖縄の基地負担軽減に取り組むことで(オバマ氏と)一致した」と強調。あくまでも名護市辺野古への新基地建設を推進する姿勢を示しました。
これについて政府関係者は、首相は大統領に「辺野古『移設』が唯一の解決策」とする「日本政府の立場は不変だ」と述べたことを明らかにしました。首相は、知事をはじめ沖縄県民に広がる「基地あるがゆえの事件」という批判にまったく応えなかったことになります。
首相は今回の事件について、米政府に厳正な対応と徹底した再発防止策を求めたものの、日米地位協定について「一つ一つの問題について目に見える改善を着実に具体化する」と述べ、米側に地位協定の運用改善を求めただけでした。