2016年5月26日(木)
「部落差別」永久化法案廃案を
清水議員 「解消努力裏切る」と批判
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「部落差別」永久化法案(「部落差別解消推進法案」)が審議入りした衆院法務委員会で25日、日本共産党の清水忠史議員は「同和問題の解消に血のにじむ努力を続けてきた方々を裏切る法案であり、絶対に許せない」と廃案を強く求めました。
この日、質疑に立ったのは清水議員ただ1人。自民、公明、民進が成立を狙う法案に、部落解放同盟が利権をあさる同和行政の是正に取り組んできた地方議員や団体から「亡霊がよみがえった」「これまでの運動に逆行する」と怒りの声が広がっています。
同和立法は、2002年3月末に終結し、特別対策から一般対策に移されました。理由をただした清水氏に、総務省の佐伯修司官房審議官は、同和地区をとりまく状況が変化し、差別解消に有効でないとする当時の政府見解を説明しました。
清水氏は、法案提出者の自民党・山口壮議員に、これまでの経過に逆行すると批判し、「二階俊博総務会長の意向を受けた同和行政の新たな根拠法の制定が動機ではないか」とただしました。
さらに、法案上の「部落差別」の定義について追及。山口氏は「法律上の定義を置かずとも部落差別の意味は極めて明快」などと強弁。清水氏は「とんでもない。誰かが主観的に『部落差別』だと認定すれば際限なく乱用を生み、同和事業の復活や脅迫的な確認・糾弾活動の根拠となりうる」と厳しく批判。法案の深刻な問題は、定義がないまま行う「部落問題」の実態調査で新たな差別を掘り起こすことだと強調。出身地や血筋の特定、部落問題のなかった地域での追跡調査につながる危険を指摘しました。
清水氏は、自民党政務調査会が1986年に出した「部落差別の解消を目的とした法律を基本法として制定することは、その被差別対象地域及び住民を法的に固定化させる」との文書を示し、重ねて廃案を求めました。