2016年5月24日(火)
翁長知事 オバマ氏との面談要求
沖縄女性遺棄事件 首相に抗議
沖縄県の翁長雄志知事は23日、首相官邸で安倍晋三首相と会談し、同県で起きた元海兵隊員の軍属による女性遺体遺棄事件について「断じて許せるものではなく、強く抗議する」と述べました。さらに知事は、米兵や軍属の特権を定めた日米地位協定の改定を含む抜本対策とともに、今週来日するオバマ米大統領と直接面談の機会を設けるよう求めました。
知事は、この数十年、米軍の事件・事件のたびに「綱紀粛正」「再発防止」の言葉が繰り返されながら、またしても凶悪事件が発生したことに「激しい憤りとやるせなさを感じる」と日米両政府の対応を批判。「今回の事件は、沖縄県に約74%に及ぶ広大な米軍基地が存在することに大きな要因がある」と強調しました。
安倍首相は、伊勢志摩サミット時に行う日米首脳会談の場で、再発防止などを念頭に「オバマ氏に対して厳正な対処を求めていきたい」と説明。地位協定改定についても、「沖縄の気持ちに寄り添う中で負担軽減に全力を尽くす」などと明言を避けました。
会談後、知事はオバマ氏との面談を求めた意図について、米垂直離着陸機オスプレイの夜間飛行などで日米合意が何ら守られない実態にもふれ、「『国と国の関係だ』と言われても、私たちはどこに(怒りを)向ければいいのか。県民の思いはもう爆発状態だ」と記者団に語りました。
首相の姿勢については、辺野古新基地問題での対応にふれ、「『寄り添う』という言葉は実感として一度も感じられない」と指摘しました。
菅氏は面談否定的
菅義偉官房長官は同日の記者会見で、翁長知事とオバマ米大統領との面談について、「外交問題は中央政府間で協議するのが当然だ」と否定的な考えを示しました。