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2016年5月22日(日)

シリーズ 共産党の改革提案 チェンジ!安倍政治

TPP阻止し 平等・互恵のルールを

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 安倍晋三政権が国会承認を目指す環太平洋連携協定(TPP)は、米国を中心とする多国籍企業に日本を丸ごと売り渡すものです。日本共産党は、TPP協定を阻止し、各国の経済主権、食料主権を尊重した、平等・互恵の投資と貿易のルールを目指しています。


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(写真)2012年の総選挙で「TPP断固反対」を掲げた自民党ポスター=山形県米沢市内

ウソ重ねる首相 撤回しかない

 2012年の総選挙で「TPP断固反対」を掲げながら、政権復帰したとたんに、公約に反してTPP交渉に参加した安倍首相は、ウソを重ねてTPPをごり押ししています。

 13年の国会決議は、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の農産物重要5項目を「除外」か「再協議」とし、交渉の対象にしないよう求めました。しかし、安倍政権は、重要5項目中28・6%の品目の関税撤廃を約束しただけでなく、その他の品目でも、関税削減、特別輸入枠新設などを約束しました。「無傷」の品目がないことは、森山裕(ひろし)農林水産相も国会答弁で認めざるを得ませんでした。しかも、TPP発効後7年たつと、関税が残った品目の扱いも、米国など5カ国の要求に基づいて協議することになっており、TPPの原則である関税ゼロへのレールが敷かれているのです。

 政府が出したTPP「経済効果分析」は、国内総生産(GDP)押し上げ効果が14兆円もあり、政府の対策によって農林水産物の生産減少額が1300億〜2100億円にとどまり、食料自給率も変化しないという、説得力のないものです。政府主催の説明会で、対策抜きの影響試算を求める声が相次いだのは当然です。米の生産減少額だけでも、独自に試算した8府県の合計で最大224・4億円にのぼるのです。

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 国会審議では、安倍政権は、TPP交渉の経過を明らかにすることを拒否し続けています。国民と国会に情報を公開できない協定は、撤回するしかありません。

食の安全・医療・雇用…多国籍大企業を優先

「新しい差別」と世界的経済学者

 TPPは、多国籍大企業の国境を越えた利潤追求のために、関税撤廃をはじめ、食の安全、医療、雇用、保険・共済、政府調達など、あらゆる分野の「非関税障壁」を撤廃しようというものです。進出先の制度変更で被害を受けたと主張する外国企業がその国の政府に対して損害賠償の訴訟を起こす権利を、投資家対国家紛争解決(ISDS)条項で保障します。多国籍大企業が各国に干渉・介入し、主権を侵害する根拠になります。

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 安倍首相が主催した「国際経済金融分析会合」で、ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ教授は、TPPが「新しい差別をもたらし、より強い成長や環境保護などのための規制手段を制限する」と述べて、TPPを批判しました。米国をはじめ、TPPに署名した各国で、TPPに反対する運動が広がっています。

経済主権・食料主権を尊重

新しい国際的な流れに沿って

 日本共産党は、広範な国民との共同を進めて、TPPの国会承認を阻止するため力を尽くします。同時に、各国の経済主権、食料主権を尊重した、平等・互恵の投資と貿易の国際的ルールをつくることを強く求めます。農業については、農産物の価格保障と農家への所得補償を組み合わせて、安心して再生産できる条件をつくり、先進国で最低レベルの39%にまで落ち込んだ食料自給率を、まず50%に引き上げることを目標にすえるよう求めます。

 この方向は、各国でのたたかいと新しい国際的な流れに沿ったものです。国連人権理事会の食料への権利に関する国連特別報告官(2008〜14年)を務めたオリビエ・デシューター氏は14年1月24日付報告書の結論で「食料主権は、食料への権利を全面的に実現するための条件だ」と述べています。

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