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2016年5月21日(土)

主張

沖縄米軍属の犯罪

唯一の根絶策は基地の撤去だ

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 沖縄県でまた「米軍基地あるがゆえの悲劇」が起こりました。うるま市の20歳の女性が行方不明になっていた事件で、米空軍嘉手納基地(嘉手納町など)の軍属の元米海兵隊員が死体遺棄容疑で逮捕されました。遺体が見つかったのは米海兵隊キャンプ・ハンセン近くの恩納村の雑木林で、容疑者は女性の首を絞めナイフで刺したと供述しているとされます。これからの人生に夢と希望を抱いていただろう若い女性の命を無残にも奪った残虐な事件に激しい憤りを禁じ得ません。事件の元凶である過大な米軍基地を押し付けてきた日米両政府の責任は免れません。

守られない「再発防止」

 「今、こうやってパソコンに向かっている間も、打つ手の震えを抑えることができない」―。沖縄の地元紙社説(沖縄タイムス20日付)の書き出しです。今回の事件が沖縄県民に与えた衝撃、怒りと悲しみの深さを象徴しています。女性の無念さ、無事な帰りを願っていた家族らの心情を思うと胸が締め付けられます。

 沖縄では、戦後71年、日本復帰からでも44年もの間、「米軍基地あるがゆえの事件・事故」が絶えず繰り返されてきました。県民は、米軍人・軍属などによる凶行の犠牲者になる危険と常に隣り合わせの生活を余儀なくされてきました。

 沖縄県の資料によれば、1972年の復帰から2015年末までの米軍関係者(軍人、軍属、家族)による犯罪の検挙状況は5896件に上ります。このうち殺人、性的暴行、強盗、放火といった「凶悪犯」は574件と1割近くを占めています。国土面積のわずか0・6%の沖縄に、在日米軍専用基地面積の約75%が集中している異常な事態が背景にあることは間違いありません。

 安倍晋三首相は「沖縄の基地負担軽減」を繰り返していますが、沖縄の基地の過重負担の実態は何も変わっていません。県民の命と暮らしを危険にさらし、深い悲しみと苦しみを強いる事態をこれ以上放置することは絶対あってはなりません。

 安倍首相は今回の事件について「非常に強い憤りを覚える」と述べ、「徹底的な再発防止」などを米側に求めるとしています。しかし、沖縄の米軍関係者の事件・事故をめぐる歴史が示しているのは、いくら米政府や軍が謝罪し、「再発防止」や「綱紀粛正」を約束しても守られたためしはないということです。

 今年3月に米海兵隊キャンプ・シュワブ(名護市)の米軍人が那覇市で、寝込んでいて抵抗できない女性に性的暴行を加えたとして逮捕された事件でも、日本政府は米側に対し「再発防止」などを申し入れていました。今回の事件は、その直後に起きました。

新基地建設は許されぬ

 「米軍基地がある限り、今後も犠牲者が出る恐れは避けられない」―。今回の事件を受けて、沖縄からほうはいとして沸き上がっている声です。沖縄の地元紙は、米軍の「再発防止」策に限界があるなら、「選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ」と強調しています(琉球新報20日付)。

 基地撤去こそ米軍犯罪根絶の「唯一の解決策」です。日米両政府が「唯一の解決策」などといって沖縄に新基地建設を進めることは絶対に許せません。


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