2016年5月19日(木)
首相の増税問題での無責任な姿勢はっきり
党首討論受け 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は18日、党首討論を終えて記者会見し、消費税10%増税に関して二つの角度から安倍晋三首相をただしたことについて感想を述べ、増税中止に追い込む決意を表明しました。
志位氏は、消費税8%増税に対する総括と反省で安倍首相が「予想以上に消費が落ち込み、予想以上に長引いた」原因について全く答えなかったと指摘。「1997年(消費税5%実施)をピークに働く人の賃金が減り続け、70万円も減りました。家計の足腰が深刻な打撃を受ける事態が20年近く続き、そこに消費税をかぶせたことが『想定外』の深刻な消費の落ち込みの原因です」と強調し、「安倍首相は原因については反省もなければ総括もない」と述べました。
志位氏は、景気悪化が明白な場合でも消費税10%へ引き上げるのか重ねて問いただしたことについて、「安倍首相がノーと言わないことが特徴だった」と指摘しました。
こうした安倍首相の答弁について、志位氏は「これは増税問題に対して非常に無責任な姿勢です。8%への増税で“増税不況”を引き起こしながら、『想定外』の一言だけで総括も反省もない。消費税10%への増税にいたっては『景気判断』そのものをやらず、景気悪化が明白な場合でも引き上げをしないと言わないことがはっきりしました。非常に無責任極まる姿勢です」と批判しました。
その上で志位氏は「10%増税は中止し、富裕層や大企業に応分の負担を求める税制改革によって暮らしを支える財源をつくることに切り替える必要があることを強く求めて、引き続きたたかっていきたい」と表明しました。
さらに熊本地震に関して「来年4月(消費税10%実施予定)は、被災者の方々が住宅と生活の再建に取り組んでいる真っただ中になり、ここに増税をかぶせることは大きな問題です。二重三重に中止するべきです」と述べました。
同日の党首討論で民進党の岡田克也代表が消費税10%増税を「先送りせざるをえない状況だ」と発言したことについて問われ、志位氏は「来年4月の増税には反対するという接点があり、ここでの協力はできると考えています」と語りました。