2016年5月19日(木)
マンション被害深刻
熊本地震 住民に不安 「もう住めんかも」
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熊本地震ではマンションでも大きな被害がありました。「被害がひどいけん、もう住めんかも」「できれば改修して住み続けたい」など、住民からは不安や修繕方法・費用の悩みを訴える声が上がっています。
熊本市東区のマンションでは、駐車場になっている1階部分の柱にひびが入り、壁には穴があきました。同マンションの6階に住む女性(41)は「余震が怖いので、あまり中に入っていません」。車中で避難生活していましたが、大型連休後、ワンルームマンションを見つけ、仮住まいをしています。
しかし、応急危険度判定で「危険」とされているために引っ越し業者は作業できず、使える家電や家具を運び出すのもままならないといいます。
同区の別のマンション(11階建て)では、室内にある給湯器が戸を突き破って倒れる被害が続出。一部で階下が水浸しになりました。10階に住む男性(66)は「地震の揺れは激しくて家具が踊るようでした。ガラスや陶磁器は全部割れたので捨てるところです」と話します。
同市西区の3棟続きのマンションに住む男性(67)は「各棟のつなぎ目の部分が裂けてずれ、壁に×(ばつ)字型の亀裂ができました」。応急危険度判定では「危険」という判定ですが、多くの住民が昼に戻り、夜には車中泊などしています。「高齢者が多く、ほかにいくところがない」と話します。
NPO法人・熊本県マンション管理組合連合会が5月中旬に開いた相談会では2日間でのべ380人が参加。同連合会の会長は「熊本市内にある850のマンション管理組合のほとんどで被害が出ています。相談にきた人たちは、費用や修繕方法などで悩んでいる」と語ります。
(武田祐一)