2016年5月18日(水)
損失を税金で補てん
井上氏 武器輸出へ保険適用批判
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日本共産党の井上哲士議員は12日の参院外交防衛委員会で、安倍政権が武器輸出に貿易保険の適用を検討していることを明らかにし、「武器輸出企業の損失補てんに税金が投入される」と批判しました。
貿易保険は、独立法人日本貿易保険が、戦争などのリスクによる輸出入や海外投資の損失を補てんする制度です。
井上氏は、防衛省の有識者検討会がまとめた報告書に武器輸出への貿易保険適用の検討が盛り込まれたことを指摘。経産省の黒沢利武審議官は、同検討会で貿易保険適用が「制度上可能」と説明し、保険財政が赤字になった場合は「政府が財政上の措置を講ずることができる」と述べ、税金が投入されることを明らかにしました。
井上氏は「『輸出貿易の振興を図る』目的で創設された貿易保険の適用は、国策として(武器輸出を)奨励するものに他ならない」と指摘。“積極的武器輸出の方針は取らない”とした政府答弁との矛盾をただすと、中谷元・防衛相は「平和国家としての基本理念を堅持したうえで、防衛装備移転三原則の範囲内で実行していく」と正当化しました。
井上氏は、経団連が昨年9月に防衛装備品の輸出を国家戦略として推進すべきだとする提言をまとめており、「経団連の要望に応えているのが、この報告書だ」と指摘。貿易保険の適用などを今後一切、具体化しないよう主張しました。