「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年5月16日(月)

NHK「日曜討論」 藤野政策委員長の発言

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 日本共産党の藤野保史政策委員長は、15日のNHK「日曜討論」に初めて出席し、震災や消費税増税問題などをめぐり与野党の政策責任者と討論しました。


熊本地震対策

命と健康を守ることは緊急課題

 冒頭、発生から1カ月となった熊本地震への政府の対応がテーマとなりました。

 自民党の稲田朋美政調会長や公明党の石田祝稔政調会長は「先手先手で取り組んでいる」と述べました。民進党の山尾志桜里政調会長は与野党なく一致協力していきたいと述べつつ、補正予算案に被災者生活再建支援金の拡充が取り入れていないことは「残念だ」と語りました。

 藤野氏は「2回にわたり被災地に入り、避難所や車の中でぐったりされている方を何人も見て、命と健康を守ることは引き続き緊急課題だと感じています」と述べ、温かい食事などを求めた政府の通達を政府が責任をもって実現することや、復旧事業は全額国庫負担にするなど地元負担ゼロのメッセージを出すことを要求しました。

 また、被災者生活再建支援金の上限を現行300万円から500万円に拡大する法案を野党が提出していることを紹介し、「ぜひここはご一緒に実現しようと与党の皆さんには呼びかけたい」と語りました。補正予算案について「被災地の支援に限っているということであれば協力したい」と表明しました。

 自民・稲田氏は、支援金の給付拡大について「できうる限りの対応を考え、検討したい」と応じました。

アベノミクス

物価上昇と消費税8%で不況に

 安倍政権の経済政策アベノミクスへの評価に議論が移りました。野党がアベノミクスは失敗と指摘したのに対して、自民・稲田氏は史上最高の企業収益や有効求人倍率の上昇などの数値を並べ、「明るい兆しが出ている」と主張しました。

 藤野氏は「雇用は良くなったと言うが増えたのは非正規雇用が圧倒的だ」と反論。大企業収益は史上最高となり内部留保は300兆円を超える一方で実質賃金は4年連続マイナスだと指摘し、「個人消費が冷え込んで貧困と格差が広がっているのが実態だ。トリクルダウンは完全に破綻している。むしろ、アベノミクスの物価上昇と消費税8%増税のダブルパンチで『アベノミクス不況』が始まった」と語りました。

 公明・石田氏は、総雇用者所得は増えているなどと述べ、これを正規雇用への流れにつなげたいと語りました。

 藤野氏は「大企業がもうかっても賃金に反映していかない。やはり正規が増えないと駄目だし、働き方を変えることとセットでやっていかないといけない。与党は労働基準法や雇用を規制緩和しているが、これでは逆行だ」と批判しました。

 司会者が「ポイントは所得格差の現状だ」と述べ、世帯所得の分類で最多が200万〜300万円の14・3%、次が100万〜200万円の13・9%という数字を紹介し、「現状をどうとらえるか」と問いました。

 自民・稲田氏は「可処分所得を生み出すためにも実質賃金を上げることが重要だ」と語りました。

 藤野氏は「いま必要なのはトリクルダウンではなくてボトムアップだ」と述べ、家計を温めることが格差の是正、中間層の応援になると強調。具体的には正社員を増やして賃上げを進める、長時間労働を規制してブラック企業をなくしていく、最低賃金を中小企業に手当てしながら今すぐどこでも1000円に、そして1500円を目指していくことを提案し、「大企業がまず豊かになるのではなくて、働く人が安心して暮らせる社会をつくっていく。そのことが結局は経済の好循環につながっていく」と語りました。

 公明・石田氏は「大企業のトリクルダウンがないというのは大事な問題だ」と述べざるを得ませんでした。

消費税増税

10%への増税はきっぱり中止を

 消費税率10%増税が議論となり、自民・稲田、公明・石田両氏は、予定どおり2017年4月から引き上げる方針に変わりないと語りました。

 民進・山尾氏は軽減税率に「反対」を表明する一方で、引き上げを延期するなら「アベノミクスの失敗を認めて退陣すべきだ」と語りました。稲田、石田両氏は「複数税率は(消費税増税を決めた)3党合意に書いてあった」と反発し、山尾氏との間で争いとなりました。

 藤野氏は「10%に上げるのはとんでもない。延期や先送りではなくてきっぱり中止すべきだ」と主張。社会保障の財源についても、大企業や富裕層に応分の負担を求めるなど税金の集め方を変えれば財源をつくれると述べ、税金の使い方の改革も求めました。

 これに対し公明・石田氏は「実質どういう形でやるのか。法人税率を上げるのか」と質問してきました。

 藤野氏は「研究開発減税とか海外の利益を受け取る配当利子の減税だとか、さまざまな政策減税で実質的な負担率(実効税率)は大企業はかなり低くなっています。見かけの法人税よりも実際に払っているものは低くなっているわけですから、もうけに応じて負担させるべきです」と答えました。

 自民・稲田氏は、消費税と切り離して社会保障の財源をつくるべきだという社民・吉川元政策審議会長の提案や、大企業の内部留保の活用という藤野氏の提案、子どもや若者への支援は究極の経済政策だという民進・山尾氏の提案などについて「とても重要だ」と述べました。

 藤野氏は最後に、「税金の集め方、税金の使い方、そして働き方を変えていくことを一体で進めていくことで希望ある未来が開けてくると思います」と語りました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって