2016年5月15日(日)
参院選目前 “全1人区で統一”が視野に
共産党 野党共闘と比例躍進に全力
夏の参院選にむけ、1人選挙区での野党統一候補の擁立が進んでいます。14日は、鹿児島選挙区で、日本共産党、民進党、社民党の3党と市民団体が下町和三氏(連合鹿児島事務局長)への一本化を発表しました。これで32選挙区にのぼる1人区のうち26まで実現し、安倍政権打倒にむけた歴史的な野党共闘は残り6選挙区となりました。日本共産党は、1人区での統一候補の勝利とともに、比例代表での躍進、複数選挙区での必勝をめざし全力をあげています。
14日までの週内に鹿児島選挙区のほか、富山、岐阜、愛媛、大分の4県で統一候補の発表が行われました。26候補のうち民進公認は12人、無所属は14人となっています。現職5人で元職が3人。経歴も国会議員経験者から、学者、弁護士、元首長、マスコミ出身者など多彩な顔ぶれです。
戦争法廃止、立憲主義回復を求める市民グループも加わった野党統一の動きは、昨年暮れの段階で、米軍新基地建設に反対する「オール沖縄」のイハ洋一予定候補と、熊本選挙区のあべ広美予定候補(無所属)のみでした。今年に入り、2月19日の野党党首合意を受けて加速。予想される参院選投票日の2カ月前にして、全1人区での統一実現が視野に入ってきました。13日の4野党書記局長・幹事長協議で、最後の一つまで候補者一本化の努力をすることが確認されました。
参院選の前哨戦となった衆院北海道5区補選(4月24日)で野党統一が実現し、短期間の選挙戦にもかかわらず池田まき候補が自公候補を僅差まで追い詰め健闘。野党統一が自公と補完勢力を打ち負かせる可能性を示しました。
「戦争させない北海道をつくる市民の会」呼びかけ人の上田文雄前札幌市長は、「(補選は)厳しい下馬評を覆す大健闘でした。この共闘が全国展開できるなら民主主義回復をめざす流れが確実に広がる」と指摘します。
同補選では、共産、民進両党支持者のほとんどが池田候補に投票するなど、一部でいわれた「統一で保守票が逃げる」懸念は払拭されました。無党派層の7割が池田支持にまわる結果もでました。
1人区で統一候補となっていない、残る6選挙区は、岩手、三重、奈良、和歌山、香川、佐賀。これらでも、擁立にむけた協議が行われています。
野党共闘を一貫して推進してきた共産党に対しては、全国で「最近の共産党の動きは良い」「1人区で候補を比例にまわしたのは英断」など多くの激励が寄せられ、従来の支持者に加え保守系の有権者から「選挙区は統一候補、比例は共産党」(宮城県)など支援の輪が広がっています。
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