2016年5月13日(金)
プルトニウム増招く
倉林氏 再処理法案を批判
参院委で可決
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参院経済産業委員会は10日、再処理等拠出金法案の採決を行い、日本共産党と2会派(元気・改革)を除く賛成多数で可決しました。採決に先立つ質疑で日本共産党の倉林明子議員は、使い道のないプルトニウムを増やす再処理の実態と、増大する事業費の問題についてただしました。
対象事業の範囲について資源エネルギー庁の多田明弘電力・ガス事業部長は「使用済みMOX燃料(使用済み核燃料を再処理して取り出したウランとプルトニウムの混合酸化物)の再処理も含め、今後発生する全ての使用済み燃料が対象」と答弁しました。
倉林氏は「対象事業もその費用もどこまで増えるかわからないまま、公共料金である電気料金で費用を回収することは生活に直結する大問題だ」と批判しました。
倉林氏は、六ケ所村再処理工場(青森県)の稼働により発生するプルトニウム総量が年間8トンに対し、利用計画は年間5・5〜6・5トン(プルサーマル=MOX燃料を通常の原発で使う=最大数の16〜18基稼働した場合)であることを指摘。残りのプルトニウムについて多田氏は「劣化ウラン等と同様に備蓄をしていく」と述べ、使い道のないことを明らかにしました。
倉林氏は「プルトニウムを新たに発生させるのが再処理だ」と強調。世界が保有する民生用プルトニウムの18%を日本が保有している実態をしめし「唯一の被爆国である日本で、プルトニウムを増やすことに国民の理解は得られない。原発再稼働・核燃料サイクルはきっぱりやめるべきだ」と迫りました。