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2016年5月13日(金)

ヘイト根絶法案可決

仁比氏が賛成討論

参院法務委

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(写真)賛成討論する仁比聡平議員=12日、参院法務委

 参院法務委員会は12日、与党提出のヘイトスピーチ根絶法案を全会一致で可決しました。13日の参院本会議で可決、衆院に送付される見通しです。

 賛成討論に立った日本共産党の仁比聡平議員は「ヘイトスピーチの根絶に向けた立法府の意思を明確にする理念法としての意義を評価し、賛成する」と表明。根絶に向けていっそう力を尽くそうと各党議員に呼びかけました。

 仁比氏は、与党案の提出は「ヘイトスピーチによる被害の深刻さと、その根絶を求める当事者、国民の声に迫られたからに他ならない」と強調。一方で同法案には、▽ヘイトスピーチ被害の対象を「適法に居住する」「本邦外出身者」とする骨格であり、人種や民族を理由とする差別は許されないという憲法と人種差別撤廃条約の趣旨をあいまいにしている▽「不当な差別的言動」との用語が明確性を欠く▽ヘイトスピーチの違法性が明確でない―などの問題があると指摘しました。

 仁比氏は、日本共産党が「何人もヘイトスピーチを行ってはならない」旨の規定を設けることなどの修正を求めていたことを紹介しました。

 その上で、修正はならなかったが、質疑のなかで、根絶対象となる言動が「本邦外出身者を地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」であり、法案の「不当な」や「差別的」という不明確な用語がそれだけで要件とならないことや、政府や在日米軍を批判する言動は対象とならないことなどが確認されたことを「前向きに評価する」と表明しました。

 与党案採決に先立ち、民進党などが提案した法案が採決され、反対多数で否決されました。

 日本共産党は、ヘイトスピーチ根絶のためにより良い法案に向けた協議を尽くし、できる限り全会一致で成立させることが求められるなか、民進党などの提出法案について協議が一切ないまま採決するのは賛否表明の前提を欠くとして棄権しました。


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