2016年5月13日(金)
熊本地震 あす1カ月
労働相談1万件超 解雇・休業相次ぐ
熊本地震によって企業が被災して営業ができないために解雇されたり、休業させられたりする事例が相次いでいます。熊本労働局によると、熊本のハローワーク(公共職業安定所)や労働基準監督署に寄せられた震災に伴う労働相談が11日現在、1万件を超えていることが分かりました。
14日で発生から1カ月を迎える熊本地震では、一時的に離職しても失業給付が受けられる雇用保険の特例措置が取られています。特例措置についての労働者からの相談が5726件と最多に。従業員に払う休業手当の一部を国が助成する雇用調整助成金について事業者からの相談が1988件で、その他の相談と合わせると、1万66件にのぼります。
12日、熊本市中央区にあるハローワーク熊本では、午前8時半の開所前から利用者の長い列ができました。
勤めている美容院が再開しないため雇用保険の特例措置を受ける手続きにきた熊本市内の女性(58)は「仕事の見通しが立たず不安です」と語りました。
同ハローワークの富田浩二管理次長は、大型連休後に利用者が増え、利用時間を延長して対応していると話し、「震災で多くの企業の施設が壊れているので、今後、解雇が増える可能性がある」と指摘。震災に関連してハローワークを利用する人が本格的に増えるのはこれからだとみています。
(武田祐一)