2016年5月12日(木)
学長選は大学の判断
馳文科相、大平議員に答弁
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馳浩文部科学相は11日の衆院文科委員会で、国立大学の学長選考の過程で行われている教職員の「意向投票」(学長選挙)について、「意向投票の実施の有無は各大学の判断だ」と述べ、意向投票を行うこと自体は問題ないとの考えを示しました。日本共産党の大平喜信議員が、新たに導入される指定国立大学法人について、「指定国立大の指定のさい学長選挙をやめさせるような介入をすることはないのか」とただしたのに答えました。
馳氏は1月10日、新聞社との懇談で「組織内で意向投票をしている大学はガバナンス(統治)の観点から改革の意思があるのか疑問だ。(運営費交付金の)配分に関しては厳しく評価する」と述べ、学問の自由・大学の自治を踏みにじる姿勢を示していました。
この日の質問で大平氏は、学校教育法改定の施行通知(2014年8月29日)で学長選挙が禁止されているのかと質問。文科省の常盤豊高等教育局長は、「意向投票は禁止されていない」と認め、指定国立大学の指定の要件ではないことを認めました。
馳氏は、意向投票の有無は「各大学の判断」だとした上で「大学をリードしていくにふさわしいものが学長選考会議で主体的に選考されるよう大学人としての見識を十分発揮されることを望みたい」とものべました。
大平氏は「教職員の意向を大学の管理・運営に反映させることは教育研究の発展にも不可欠だ」と指摘。「自治のあり方も大学によって異なることは国際的にもコンセンサス(共通認識)になっている」と強調しました。