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2016年5月11日(水)

市民団体も盗聴対象に

刑事訴訟法改悪案 仁比氏が危険性指摘

参院法務委

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(写真)質問する仁比聡平議員=10日、参院法務委

 刑事訴訟法等改悪案の審議が行われている参院法務委員会で10日、日本共産党の仁比聡平議員は、法案に盛り込まれている盗聴法の拡大について、国家が敵視する市民運動を監視するために盗聴が乱用される危険を厳しく指摘しました。

 現行法は、盗聴の対象を麻薬や銃の取引などの組織犯罪に限定しています。仁比氏は、法案が盗聴対象を窃盗や詐欺などにも拡大していることに加え、警察が盗聴令状を請求する対象を暴力団などの組織的犯罪集団に限定していない重大問題を追及しました。

 仁比氏は、「捜査機関が容疑があると判断し、裁判所が令状を出せば市民団体も盗聴の対象になるということだ」と批判。岩城光英法相は「(盗聴は)令状が必要であり、裁判官の厳格な審査を受ける」と述べるだけで、市民団体を盗聴対象としない法的根拠を示せませんでした。

 仁比氏が、盗聴で得た情報を突きつけ、被疑者・参考人に自白を迫るのかただすと、法務省の林真琴刑事局長は「内容を被疑者に告げるのは許される」と答弁。盗聴内容を逮捕や家宅捜索の令状請求に使用することも明らかになりました。

 仁比氏は、「しんぶん赤旗」号外などを配布して逮捕された元社会保険庁職員の堀越明男さんが最高裁で無罪となった事件で、警察が10カ月にもわたって尾行や盗撮を続けていた卑劣な捜査実態を突きつけると、河野太郎国家公安委員長は「(判決は)捜査が違法と判断したものでない」と居直りました。

 仁比氏は「権力犯罪を繰り返してきた警察に盗聴の拡大を与えることが、なぜえん罪を防ぐ刑事司法改革といえるのか」と痛烈に批判しました。


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