2016年5月10日(火)
待機児対策で保育基準が後退
保育の質下げ許されない 田村智子議員批判
参院決算委
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日本共産党の田村智子議員は9日の参院決算委員会で、厚生労働省が待機児童解消の緊急対策を口実に保育士配置基準を緩和した問題を追及し「保育の質を引き下げる規制緩和は許されない」と批判しました。
田村議員は、3月に死亡事故を起こした認可外施設(東京都)は、保育士が半分以上いればよいとする「企業主導型保育」の先取り施設であり、昨年の死亡事故14件のうち9件は、有資格者が3分の1でよいとする認可外施設で起きていると指摘しました。
塩崎恭久厚労相は、人員配置の低さと事故の関係について「要因はさまざまだ」と言い訳。田村氏は、「知識と専門性を培った保育士の配置こそ必要だ」と主張しました。
田村氏は、安倍政権が待機児童緊急対策や保育士不足を口実に、児童福祉施設最低基準を改定(4月1日)し、人員配置基準を大きく緩和したことに言及。定員超過や延長保育の受け入れでは認可定員を上回る分の職員は無資格者でよく、人員配置基準の歯止めも保育士が3分の2でよくなることを指摘し、「長ければ長いほど、預ける子どもが増えれば増えるほど無資格者が増えていく」と批判しました。
田村氏は、認可定員60人の保育所の実際の配置に比べて、有資格者が5割程度でよくなる実態を示し、「有資格者を3分の2でよいと恒久化するのは、越えてはならない一線だ」と厳しく批判しました。塩崎厚労相は、「専門職とチームを組んで保育する」と弁明。田村氏は、「やるべきは最低基準の引き下げではなく、保育士の処遇改善だ」と強調しました。