「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2016年5月9日(月)

没後65年 百合子の文学を語るつどい

未完の大河小説「十二年」を読む

東京 不破氏が講演

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

(写真)不破哲三社研所長の講演を聞く「つどい」参加者=8日、東京都新宿区

 宮本百合子の没後65年を記念して「百合子の文学を語るつどい」が8日、東京・四谷区民ホールで開催され、450人が参加しました。主催は日本民主主義文学会、婦人民主クラブ、多喜二・百合子研究会、後援は日本ペンクラブほか。

 日本民主主義文学会の旭爪あかね副会長の開会あいさつに続き、百合子の生涯をたどるスライドを上映、劇団銅鑼(どら)の俳優・中村真由美さんが「播州平野」の部分を朗読。

 日本共産党社会科学研究所所長の不破哲三氏が「伸子・重吉の『十二年』―未完の『大河小説』を読む」と題して記念講演を行いました。伸子は百合子自身、重吉は夫の宮本顕治をモデルとした一連の百合子作品の主人公です。

 戦争中に治安維持法によって獄中にあった夫との12年にわたる手紙のやりとりを通して自己変革を遂げた百合子は、その時代を活写する長編小説「十二年」を構想していました。しかし作品を完成しえないまま急逝。不破氏は、百合子が何を書こうとしたのかを1389通の往復書簡から探ります。

 小説の主題は獄の内外をつなぐ伸子と重吉の豊かな交流であり、重吉の1944年の公判闘争が作品の核心となると指摘。この闘争は、日本共産党を反社会的な犯罪者集団にでっちあげる特高警察の陰謀を打ち砕く重大な任務を担ったものでした。作品では、公判を傍聴した伸子が客観的事実を緻密に論証していくリアリズムの真髄を体得し、作家として、また革命的自覚をもった共産主義者として成長、発展していくだろうと推察。二人の生きる姿が、戦時下の日本社会の激動と統一したかたちで描き出され、戦後の民主主義社会への展望が語られただろうと述べました。

 不破氏は、「十二年」を書けなかった百合子の遺志を継いで、支配層も含めて時代を描く「大河小説」を、今日の民主主義文学に期待したいと結びました。

 閉会のあいさつに立った婦人民主クラブの桜井幸子会長が、「百合子の志を受け継いでいこう」と呼びかけました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって