2016年5月9日(月)
熊本地震 避難者ら拠点避難所へ
地域にとどまる人も
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熊本地震で、地域の小学校や公民館に身を寄せる熊本市の避難者が8日、大規模施設など18カ所に設けた拠点避難所への移動を始めました。市が避難所を移転・集約する計画には「移転先は遠すぎる」との声があり、自宅に戻る人や地域の避難所にとどまる人もいます。
熊本市では8日午後1時現在、129カ所の避難所に3947人が避難しています。小雨が降りしきるなか、拠点避難所に移動した避難者は安堵(あんど)とともに複雑な胸中を語りました。
約400人を受け入れる中央区の総合体育館では、段ボールで仕切られたスペースに荷物を抱えた家族らが続々と入りました。3歳と5歳の娘を連れてきた東区の男性(31)は「妻が被災時のショックで仕事を休んでいます。避難生活はストレスが大きく、間仕切りがあるだけで気持ちが落ち着く」と話します。
市は18カ所を「環境改善に取り組む避難所」と位置づけていますが、北区の龍田体育館にはクーラーの設備がなく、マットや間仕切りもありません。担当の職員は「必要な方には用意している」といいます。
「余震が収まるまでは安全な場所にいたい」と語る筒井和世さんは「地域の避難所を出るように言われ、仕方なくここに来ました。体育館の中は蒸し暑く、窓を開けると虫が入るのが心配。自宅から距離があるので、片付けに行くのも大変です」と語ります。
定員オーバーで希望する避難所に入れなかった避難者は、少なくとも604人にのぼります。(丹田智之)
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