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2016年5月8日(日)

検証 政治とカネ

虚偽記載告発された自民・二之湯参院議員

政党支部二つで集金

企業・団体献金+税金=依存度6割

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 出所不明金など、政治資金規正法違反(虚偽記載、不記載)の疑いで、市民団体「政治資金オンブズマン」に告発された自民党の二之湯(にのゆ)智参院議員(京都選挙区)が、選挙区支部とは別の自民党支部をもち、“二つの財布”を使って企業・団体献金を集めていることがわかりました。

同じ電話番号

 二之湯議員は、「自民党京都府参院選挙区第三支部」のほかに、「自民党京都府大都市政策推進支部」の支部長(代表者)を務めています。両支部は、京都市右京区の同じビルの一室にあり、電話番号も同じです。

 自民党政治家で、政党支部を二つ持っているのは、同じ京都府の伊吹文明元衆院議長はじめ、小渕優子元経済産業相や麻生太郎副総理・財務相らがいますが、二之湯議員のように支部長を兼任しているのは、珍しいことです。

 2014年の政治資金収支報告書によると、第三支部は510万円、大都市政策推進支部は926万円の企業・団体献金を集めています。第三支部は自民党本部から6回に分けて計1200万円の交付金を受け取っていますが、同支部の政党交付金使途等報告書によると、それはすべて政党助成金であることが確認できます。

 二之湯議員の資金管理団体「新政経懇話会」など関連政治団体間のやりとりを除くと、14年の実収入は、約4140万円(図参照)。企業・団体献金と政党助成金があわせて2636万円。収入の63・6%が企業・団体献金と税金で占められていることになります。

 一方、第三支部が、発行している月刊誌『えとす』のことし1・2月合併号によると、二之湯議員は、自民党全国会議員に課せられていた15年末までに、1000人の党員獲得という「義務」を達成。「1158人の党員を獲得することが出来ました」と“自慢”しています。

 14年は、両支部の「党費を納入した党員」は、第三支部が48人、大都市政策推進支部が52人です。

収支食い違い

 「新政経懇話会」の政治資金収支報告書によると、年会費1万円の会費910万円と、個人献金331万円の1241万円の収入があり、第三支部に502万円、大都市政策推進支部に250万円の寄付をしています。ところが、受け取った側の収支報告書では、第三支部441万7000円、大都市政策推進支部400万円と食い違っており、政治資金オンブズマンの告発の被疑事実の一部となっています。

 二之湯議員は、第3次安倍内閣で政治資金の所管である総務省の副大臣を務めたにもかかわらず、こうした政治資金収支報告書の不透明な記載は重大です。(藤沢忠明)

図:二之湯参院議員の政治資金の主な流れ(2014年)
写真

(写真)「自民党京都府参議院選挙区第三支部」の収支報告書(上)には「6万7000円」、「新政経懇話会」の収支報告書(下)には「67万円」となっている2014年3月13日付の記載


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