2016年5月5日(木)
熊本地震被災の園 子ども笑顔
遊び大切 「日常を早く」
5日は「こどもの日」。熊本地震で甚大な被害を受けた熊本市東区にあるNPO法人「ひかる・つめくさ・やまなみこども園」には、子どもたちの笑顔があふれていました。(桑野白馬・齋藤和紀)
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同園は先月21日から再開しました。子どもたちが園庭や隣接するホールで元気よく遊んでいました。
待ってた再開
キャッチボールをしていた子どもたちは、記者が近づくと、照れくさそうにボールを隠しました。砂遊びをしていた女の子が手をめいっぱい伸ばして「見て、泥だんごつくったよ」とにっこり。8歳の男の子は「友だちと鬼ごっこするのが楽しい」と声を弾ませました。
園長(69)は「子どもたちが仲間とともに遊ぶことが大切です。そのことで地震の恐怖を抱え込まずに外に出せるのではないでしょうか。保護者の要望もあり、早く保育を再開したかった」と話します。
同園は、0歳から6歳までの約150人を保育し、小学校1年生から3年生までの子ども33人の学童保育をしています。
4月14日の地震発生後、避難所として利用され、子どもを預けている保護者や近隣の住民が避難してきました。
同園が加盟している全国組織の「全国保育問題研究協議会」や「音楽教育の会」の支援と協力で、紙おむつや水、野菜や肉などの食料が次々に到着。16日からは7人のスタッフが泊まりこみ、子どもたちや保護者と一緒に炊き出しをしました。
保育士(24)は「揺れが怖かったけど、自分はどうにかなるけん。小さい子どもたちのことが心配だった」と東区の自宅から駆けつけました。
ストレス発散
2人の子どもを預けている母親(31)は益城町で被災しました。「子どもたちが『新しい益城町ばつくりたい』と前向きな言葉を発している。あたたかいご飯と走り回ることでストレスが発散されたのでは。避難所の環境は子どもにとって大切です」と話しました。
園長は「子どもたちが早く日常を取り戻せれば。地震を乗り越えて成長してほしい」と笑顔を見せました。