2016年5月4日(水)
緊急事態条項など訴え
改憲派が公開討論会
改憲派の有識者でつくる「二十一世紀の日本と憲法」有識者懇談会(民間憲法臨調)は3日、東京都内で公開の憲法討論会を開きました。「緊急事態条項が現行憲法にないのは、憲法の根本的欠陥」と断じ、「改憲発議および国民投票の早期実現」を訴える声明を発表しました。討論会は改憲右翼団体「日本会議」などが中心となっている「美しい日本の憲法をつくる国民の会」と共催です。
両団体で代表を務めるジャーナリストの桜井よし子氏は、戦争法反対の運動で立憲主義が焦点になったことを「国と国民が対立し、国をしばる基本ルールが憲法だという考え方は日本になじまない」と述べ、東日本大震災の被害が拡大した原因を憲法にあるとし、「各政党が最大公約数で合意可能な緊急事態条項から改憲を出発するのがいい」と主張しました。
安倍晋三首相が自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、憲法学者の7割が自衛隊を違憲としていることをあげ、「憲法には自衛隊という言葉がない。国民的な議論に値する」と9条改憲論議を呼びかけました。
自民党の下村博文総裁特別補佐官は、緊急事態条項の新設から始め、「多くの国民が改憲の経験を積み重ねていくことが重要」と主張。民進党の松原仁衆院議員は「憲法の前文は今の国際状況にあっていない」と発言しました。おおさか維新の会の江口克彦国会議員団顧問は「現憲法はアメリカ製、時代遅れの欠陥憲法」と述べ、日本のこころを大切にする党の中山恭子代表は「脱落している緊急事態を追加することに賛成だ」と発言しました。
「国民の会」の活動について、1000万人目標の改憲賛同者の拡大運動は700万を達成し、地方組織の「県民の会」は全都道府県に結成されたと報告されました。