2016年5月4日(水)
変えるべきは憲法ないがしろの政治
NHK憲法記念日特集 志位委員長が主張
日本共産党の志位和夫委員長は3日放送のNHK番組「憲法記念日特集」に出演し、安倍晋三首相が参院選の争点に掲げる憲法問題などについて与野党党首らと討論しました。 (詳 報)
自民・高村正彦副総裁が「時代が変わっていくたびに憲法を変えるのは当たり前」などと主張したのに対して志位氏は、「日本国憲法は世界でも極めて先駆的な内容を持っている」と強調。9条という世界で最も先進的な恒久平和主義の条項や、30条にわたる豊かで先進的な人権条項をもつことをあげて、「変えるべきは憲法ではない。憲法をないがしろにする政治を変えるべきです」と主張しました。
さらに志位氏は、自衛隊が戦後1人の外国人も殺さず、戦死者を出していないなど日本の平和の歩みを保障したのが憲法9条であり、「憲法9条は『日本の宝』であって、将来にわたって守り抜くべきです。この理想に向けて現実を一歩一歩、変えていくのが、政治の役割だと思います」とのべました。
「自民党改憲案」が憲法9条2項を削除し、「国防軍」の創設を明記していることについて高村氏は「自衛隊も国際的には軍として扱われている」と主張。志位氏は、9条2項の改定は、「自衛隊の存在をただ書くということにとどまらない」、「海外派兵、集団的自衛権、国連軍への参加が無条件に許され、無条件に海外での武力行使ができるようになる。そういう道はとってはならない」と批判しました。
これに関して公明党の北側一雄副代表は「自衛隊が憲法9条違反なのか共産党ははっきりいっていない」と攻撃。志位氏は「自衛隊は憲法9条2項に明らかに違反する、違憲だと言っています。ただ、この矛盾を一挙に解消することはできない。国民の合意で、憲法9条という理想に向かって、一歩一歩段階的に解決していくことが必要です」と日本共産党の立場を解き明かしました。
参院選で改憲問題の位置づけについて志位氏は、安倍改憲による戦争と独裁の道か、それとも安保法制を廃止し、立憲主義を回復するという希望ある道を進むのか、二つの選択が問われると指摘。「これだけ立憲主義を破壊する暴挙に次ぐ暴挙をやっている政権に憲法をいじる資格はない、これに反対するという点で(野党は)一致できるんじゃないかと思っております。野党共闘の主題としても訴えていきたい」とのべました。